二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.587 )
- 日時: 2010/04/10 14:24
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: ボクハイツデモ、ジブンノコトシカカンガエテナイデスヨ??
*+第百九十一話+*
いつの間にか、不二も居なくなっていて。
そこに居るのは、裕太と輪廻だけ。
「あー、っと」
裕太はきまづいそうに声を漏らす。
「どうかしたの?? 裕太」
輪廻はそんなコトを知ってるはずもなく。
「いや、何でも「なくないから、聞いてんの」」
裕太の喋ってる途中で、輪廻が言う。
「ね、ちょっと、付き合ってよ」
彼女の笑顔が、胸に痛む————————————————。
***
「んで、どうかしたの??」
此処はトレーニングルーム。
今は、誰も居ない。
「………輪廻は、忍足さんのこと…」
裕太が聞くと、輪廻はきょとん。
「忍足さん?? あぁ、あの変態ね。昨日、打ち合いしただけだけど」
輪廻はそこまで言うと、「それがどうかした??」と問う。
「え、それだけ??」
裕太が驚いた表情で輪廻に聞く。
「うん。それだけ。まぁ、怪我に気付かれちゃったけど」
輪廻はそこまで言うと、「やっぱ、凄いんだよなァ」と呟いた。
「そう、だったのか」
裕太の胸はホッとしている最中。
「でー?? 裕太“くん”は何を心配してたのかなー??」
クスクス笑いながら輪廻は聞く。
「あー。輪廻」
裕太が気まずい感じで話をし始める。
「何??」
首を傾げながら、輪廻は聞いた。
「俺は、お前のこと—————————————————————————」
ガラッ。
突拍子もなく、トレーニングルームの扉が開く。
そして、そこに居たのは、あの子。
「あ、輪廻。探したよ。竜崎先生が話しあるって。あれ、裕太も居たの??」
唖李栖はきょっとんと言う表情をすると、輪廻に笑いかける。
「わかった。今、行くね。じゃぁ、裕太。またね」
輪廻は軽く手を振ると、その部屋から出て行った。
「アイツ、絶対に業とだっ」
裕太は誰も居ない部屋で小さく呟く。
***
「ごめんね。話の邪魔しちゃったみたいで」
僕がそう呟くと、輪廻はにこっと笑う。
「全然、大丈夫だよ。また後で聞けば良いしさ」
輪廻はやさし過ぎるんだよ。
「あー。でも、何の話だったのかな」
輪廻は難しい顔をすると、少し考えている。
「さぁ。僕には、分からないな」
嘘。本当は、一番、分かってるんだ。
分かってるからこそ、一番、辛い。
「ねぇ、輪廻」
思わず呼びかければ、輪廻はこっちを向いて「何??」という。
「ずっと、一緒に居て。もう、“誰にも居なくなってほしくないんだ”」
居なくなってほしくない。
独りは、嫌だ。
それを察したのか、輪廻は優しく僕を抱きしめる。
あ。暖かい。
人の、体温だ。
「馬鹿だなァ。私はずっと一緒なのに。馬鹿」
馬鹿って言われてるのに、僕は少し暖かい。
「うん。馬鹿、だし」
そう言えば、クスッと輪廻は微笑む。
「ほら、行くよ。唖李栖」
ねェ、何処にも行かないで。
たった一人の僕の“家族”。
独りは、嫌、なんだ。
僕は、見えない傷に怯えてる。