二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.621 )
- 日時: 2010/04/11 21:23
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: ヤメテッ!! ギンカハナンニモ、シラナイノッ!!
*+第百九十四話+*
「久し振り、だな」
ボソッと赤也は前に居る人物に向かって言う。
「久し振り…」
相手は、トーンの落ちた声で赤也に言った。
「驚いたぜ。瀬戸内が、病院に居た時は」
赤也が言うと、銀花は顔を上げる。
「輪廻の友達の、お兄さんが入院してたから。お見舞いに行ったの」
銀花の顔に、“昔”のような笑顔はない。
「何で、お前、連絡くれねーんだよ。みんな、お前が帰ってくるの待ってたのに」
赤也が言うと、銀花は「ごめん」と呟く。
「それに、紅蓮先輩も、何も言ってくれねーし」
ボソボソっと赤也が呟いた。
「ごめん。紅蓮の、話はしないで」
そっぽを向きながら言う銀花に、赤也は驚いて。
「もう、銀花は、紅蓮のこと、好きじゃないから」
***
好きじゃない———————————————……
俺の目の前に居る銀色の髪の奴は、確かにそう言った。
何で、何で、何でだよっ!!!
お前言ってたじゃねーか。
「大好きなんだよ」って。
言ってたじゃん!! なのに、どうしてだよっ。
「赤也、このことは、誰にも言わないで。紅蓮も、了承してくれたから」
んなこと、あるわけねーじゃん。
「何で、“嫌い”になっちまったんだよ。瀬戸内」
紅蓮先輩なら、“敵わない”って思ったから、
お前が幸せそうに喋るから、
俺は、“身を引いたのに”。
「馬鹿みたい。それは、自分が逃げたかっただけでしょう??」
ふいに声がした。横から、クスッと笑いながら。
「輪廻…?? 何を、言ってるの??」
瀬戸内は、不思議そうに輪廻を見ている。
「さぁ、先輩。試合の時間ですよ?? 唖李栖は“終わった”みたいだから」
今、なんて、言った??
「え、輪廻。もう、唖李栖の試合終わっちゃったの??」
瀬戸内は、少し驚きながら輪廻に聞く。
“暁野宮 唖李栖”。
氷帝学園、テニス部。超1年生だ。
「うん。“終わった”。右で勝っちゃったんだよ」
クスクスと輪廻は笑う。
俺、こんな奴と試合、やるのか??
「先輩。遠慮は要らないわ。“本気”で私にかかってきてよ」
クスッと笑いながら、輪廻は俺を見る。
「ぜってー、潰す」
俺の頭には、そのコトしか考えられない。
『赤也は“好きな人”居るの?? 居たら教えてね。銀花、協力するから』
俺は“居ない”って答えた。
でも、本当は“居た”んだ。
俺の近くにいつも居て、
それでいて、“遠い存在の君”