二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.630 )
- 日時: 2010/04/12 19:16
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: アナタナンカニ、ワタシノキモチヲ、ワカッテモライタクナイッ!!!
*+第百九十五話+*
「6-0」
審判の声が空しく響いた。
「切原の、負け」
桃城は驚きの表情を浮かべている。
「俺の時と、同じだ」
リョーマは小さく呟く。
「良いトコに気付いたわね。リョーマ」
輪廻は後ろに居るリョーマに向かって言う。
だが、顔をこちらに向けることはない。
「私と唖李栖は“同じ存在”なの。“同じコト”をお互いするのよ??」
クスッと笑いながら、輪廻は言う。
「だから、“私達”は“負けない”し、“負けられない”の。分かった??」
輪廻はそこまで言うと、くるっとリョーマの方を向く。
「さて、これで、“君の求めてる答え”には、十分かしら??」
年下なのに、年下なのに。
裕太は何故か、輪廻が物凄く、とても凄く“遠い存在”に見えた。
「そうだ。切原さん」
輪廻は赤也を見ると、ラケットで相手を指す。
「貴方の“秘めた力”を生かすも殺すも自由です。只、貴方の“答え”は何処かしら??」
ニヤリと輪廻が笑ったのを、赤也は見た。
「それと、リョーマ」
リョーマを見ると、その目は少し悲しそうで。
「貴方は“今”、何処に居るの————————————————————??」
リョーマはその言葉の意味がわからない。
「どういう、意味??」
表情をしかめながら、リョーマは輪廻を見る。
「意味が分からなければ、“前”には、進めない。“上”にもね」
いつもの笑う姿は何処にもない。
「ま、意味を分からないままって言うのも、良いかもね」
輪廻はぐっと、ラケットは握る。
「何で、俺にそんなコトを…」
リョーマは途中で、言葉を止めた。
止めざる終えなかったのだ。
目の前の少女が、悲しそうに微笑むから。
「“扉”を開けるのに、苦労してほしくないからよ。貴方は大切な実験道具」
無表情に、そして、胸に圧し掛かる物を少女は残していく。
「開けられるかしら?? 私みたいに、全ての“扉”を」
クスッと笑うと、輪廻は唖李栖の方に行った。
そして、タオルを貰うと、その場を立ち去ってしまう。
『だから、“私達”は“負けない”し、“負けられない”の。分かった??』
そんな言葉が、何故か、重く感じてしまうのは、
何故、だろう—————————————————。