二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.650 )
- 日時: 2010/04/13 22:40
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: ネェ、ナニヲノゾム?? ナニガホシイ?? ナノヲ、エタイ??
*+第百九十六話+*
その夜、とある問題が起きたのだ。
立海2年の切原赤也が、階段から“誰か”に落とされたらしい。
それを、証言するのはボランティアの一人、堀尾。
だが、赤也はそれを認めようとしない。
***
「神尾が殴った??」
桃城の声が、夜の静寂を壊すように響く。
此処は、自動販売機などが置いてあるロビー。
「んっ!! いたっ!! もう、良いって」
赤也は顔をしかめながら、カチローに言う。
「駄目ですよ。ちゃんと手当てしなくちゃ」
カチローは、消毒を染み込ませた綿をピンセットを持ちながら言った。
「ひょえー。神尾の奴、無茶すんなー」
英二は言いながら、右膝をリョーマの頭の上に置く。
「確かに。彼は切原くんと揉めていましたよね」
梶本は腕を組みながら、冷静に話す。
「でも、どんな経緯があっても暴力はNGですよ。俺達はスポーツマンなんですから」
鳳はソファに座りながら、深刻そうに言う。
「もう少し、マシな奴だと思ってたんだけどな」
宍戸は足を組んでいる。因みに、帽子も被っているぞ。
「っ!! いい加減にしてくれ!! 俺は脚を滑らせただけだって言ってんだろ?!」
赤也は1年の手を振り払うと、大声で叫ぶ。
「そこの青学の1年」
赤也はキッと堀尾を見る。「お、俺ですか??」と堀尾は呟く。
「適当なコトを言うのは止めてくれ。俺は誰とも喧嘩なんてしていない!!」
赤也の声が、ロビーに響き渡る。
「で、でも俺、逃げる人の姿を確かに見たんっすけど…」
堀尾は困ったようにしながら、赤也を見た。
「気のせいだ」
歯切れが悪そうに赤也は言う。
「まるで、ミステリーだな」
桃城はいつもの笑顔になりながら言った。
「切原は“一人”で居たって言うし、堀尾は“神尾”を見たって言うし」
桃城の言葉に周りは少し同意する。
「僕達が此処に来ているのは、アメリカ戦の選抜を選ぶためです。
余計なコトに時間を割いている場合はないと思いますよ」
梶本はいつもの冷静さを見せながら言う。
「いや、俺はハッキリさせた方が良いと思う。これから共同生活して行くんだ。
周りにどんな奴が居るのか知っておきたいからな」
宍戸の言葉に、梶本が宍戸を見る。
「僕達は仲良くするために来たわけじゃない。自分以外は全てライバルですよ??」
梶本が言うと、宍戸は少し笑う。
「それが、城成湘南での流儀か。随分、覚めてるじゃねーか」
フッと宍戸は笑いながら言った。
「氷帝の方こそ、鉄の規律かなんだか知りませんが、実態は唯の仲良しグループなんじゃないですか??」
梶本が言うと、宍戸は相手を睨み付ける。
「何だとっ??」
静かに言うが、とても怖い声。
「あう?? うぅ??」
英二は奇声を言いながら、梶本と宍戸を見る。
そんな時だった。
クスクス笑いながら、少女は現れる。
「こんばんわ。皆さん、揃ってどうかしたんですか??」
クスッと笑う姿が、とても恐ろしかった。
「お、輪廻じゃん」
英二がニコニコ笑顔で輪廻に言う。
「こんばんわ。……あれ?? 切原さん、その傷、どうしたんですか??」
輪廻は微かに首を傾げる。
「別に。足を滑らせただけだ」
切原は違う方向を見ながら、輪廻に向かって言う。
「そうですか。なら、何故、皆さんは此処に集まっているんですか?? “ただ”の事故、なのに」
その言葉に、引っ掛かりを覚えたのはリョーマ。
「ふふふふふ〜ん」
そんな時、自販機から物が落ちる音がした。
それと同時に、誰かの鼻歌が。
「ん?? 何してんだ、こんなトコに集まって。ミーティングか??」
最後の方は、輪廻を見て言ったようだった。
不思議そうに周りを見渡す神尾。
「な、なんだよ」
神尾は周りの視線に気づいたのか、少し訝しげ。
「神尾くん、今まで何処に行ってたんだ??」
大石の表情は真面目で。
「は?? 何処にって…。見りゃわかるでしょ。自主トレしてたんっすよ」
神尾は自分の服装を見せながら言う。
「というコトは、アリバ「神尾さんっ!!!」」
桃城の言ってる途中で、誰かが息を切らしながら走ってきた。
「お、唖李栖。どうしたんだよ」
神尾は不思議そうに、唖李栖を見る。
「忘れ物ですよ。僕のじゃないから、神尾さんしか居ませんからね」
唖李栖はニコッと笑うと、神尾にボールを渡す。
「あ、悪ィな。ポケットから落ちたみたいだ」
神尾はそう言うと、ポケットにボールを入れる。
「いえ、気にしないで下さい。それより、どうしたんですか?? 皆さん、深刻な顔して」
キョトンと唖李栖は不思議に思った。
『ありす。私は、絶対に、貴方と、一緒、だからっ!! だから、笑ってい、て??』
彼女ハ、泪ヲ流シナガラ僕ニ言ウンダ。