二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.715 )
日時: 2010/04/23 15:59
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: クックック。………オマエニ、ワタシノナニガワカル!!!

*+第二百七話+*


「輪廻ッ?!」

唖李栖は裏側のコートに着くと、倒れている人の名前を呼ぶ。
「ありす」
その一言で、ビクッと唖李栖の肩が震えた。

(何で…?? 足が、動かない。近くに、居るのに、居るのに…!!)
唖李栖は輪廻を見つめている。
「心配させちゃって、ごめんね。ちょっと、ふら付いただけだから」
輪廻は立ち上がりながら言うと、唖李栖の横を通り過ぎて。

「じゃぁ、ね」
右手を軽く振ると、唖李栖も「後で」と笑う。

























































うまく、笑えているだろうか——————————————————。







***

「銀花、見つけた」

輪廻はニコッと笑いかける。だが、銀花は酷く驚いて。
「輪廻?! その手、どうしたの?!」
銀花が見るのは、包帯までもが真っ赤に染まっている左手。

「あぁ、テニスやったら酷くなったらしい。でも、痛くないから」
輪廻は平然として言う。
“痛くない”はずがない。
真っ赤に染まっているのに。

「でもでも、こんなに赫[アカ]いのに、痛いわけが…」
銀花はそこで言葉を飲み込んだ。
よく考えてみたら、おかしいコトばかり起きていた。

「ねェ、輪廻。唖李栖は??」
銀花が聞けば、輪廻は変わらない無表情。
「さァ?? 私がさっき呼んだ時は、硬直してたっけな」
クスクスと輪廻は手を口に添えながら笑う。

「りん、ね…?? 何か、遭ったの??」
銀花が恐る恐る聞く。
輪廻は無表情に戻って。

「別に。唯、気分の悪い夢を見ただけ」
輪廻の表情は変わらない。
いつもと、同じ。





同じ、ハズなのに、ね??





「輪廻。貴方の守りたいものは、なに??」
銀花が聞くと、輪廻は「愚問ね」と呟き。
「私の守りたいものは、“唖李栖”だよ」
銀花が口を開きかけたときだった。

「ふぇ??」
輪廻が意味不明な言葉を発したのだ。
それは、輪廻の後ろに居る人物が原因なのだけど。

「そ〜んなに、怒った顔してると、幸せが逃げちゃうよ〜ん」
最後に「おんぷ」を付けていいぐらいのノリでやってきたのは、英二。
「英二先輩。あ、みなさんも」
ニコッと銀花は後ろに居る人達に言う。

「はなひて(離して)」
輪廻が言うと、英二は頬を抓っていた手を離す。
「って、お前大丈夫かよ!! その手」
桃城が見ているのは、輪廻の真っ赤な左手。

「不便ですよね。右手首は捻挫中。左手の手の平は真っ赤になっちゃって」
そう言った輪廻の顔には、何の感情も浮かんでいない。
「でも、こっちの方がテニスをしなくて良いですよ」
クスッと輪廻は微笑む。だけど、いつもの笑みとは全く違う。

「輪廻、それ以上は言っちゃダメ。此処に来ている人は、みんなテニスが好き、だから」
銀花が言うと、輪廻は周りを見渡す。
「それもそうだ。下らないコトを言って、迷わせるのも癪だしね」
輪廻は、近くに置いてあったラケットを持つとニヤリと一瞬笑う。

「さて、じゃぁ、最後に質問だよ」
ラケットが指す先は、






“越前 リョーマ”。





「さっきの問いの答えは見つかったかな?? 越前クン」
クスッと輪廻は笑った。
いつもと、違う笑顔。

「何と言われようと、俺は“上”に行くよ」
リョーマは帽子を深く被りながら言う。
「残念。せっかく」
輪廻はリョーマの傍に行くと、耳元でそっと呟く。



















『“忠告”してあげたのに。………、存分に堕ちれば良いわ』

























その声は、凄く低い声で、どんな者でも、凍らせてしまうような声。
















































































絡ミツク、薔薇ノ棘ガ私ノ邪魔ヲスル。