二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.801 )
- 日時: 2010/05/02 14:43
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: コッケイダネ。オモシロイヨ、キミハ。ミテテ、アキナイ。
*+第二百十三話+*
「でもさ、輪廻って切原と知り合いだったんだ」
裕太が言うと、輪廻は不機嫌そうに相手を見た。
「何かな?? 裕太くんはもしかして」
ニヤッと輪廻は笑う。さっきの表情は“嘘”のようで。
「もしかして、切原さんに嫉妬s「な?! んなわけ!!」」
輪廻が言ってる途中で、裕太は赤面しながら大声を出す。
「でもさ、よく言うよね。“男の嫉妬は醜い”って」
輪廻はニヤニヤ顔で言うと、「だから、違うっつーの!」と裕太は言う。
「あ、でも、切原さんに嫉妬した、ってコトは私を意識しちゃってるのかな??」
クスクスと輪廻は笑っていった。
「っ!! ち、違うに決まってるんだろ」
裕太が言っても、輪廻はニヤニヤ顔。
「ざァんねん。私は裕太のコト……」
輪廻が少しショボンと言う顔をすると、裕太は「え?!」と呟く。
「なァんて、期待しちゃったのかなァ?? 裕太くん」
ニヤニヤ笑って輪廻が言えば、「ば、バカじゃねーの??」と裕太は言って。
「仲が良いんやなァ。お二人さん」
ニコッと笑いながらやってくるのは、メガネの関西人。
「………、忍足さん」
輪廻はゆっくりとそこに立っている相手を見る。
「何か遭ったんですか??」
輪廻が聞けば、忍足は少し驚いて。
「何、言うてんねん。自分「あっれー?? 輪廻じゃん」」
忍足が言ってる間に言うのは、ニコニコ笑顔の英二。
「クスッ。本当に仲が良いんだね」
意味ありげな笑みで言う、裕太の兄。不二周助。
「兄貴。んなんじゃ、ねーよ」
若干、赤面をしながら裕太は言う。
「あ、輪廻!!」
ニコッと笑ってから来たのは、銀花。
「銀花。どうしたの?? そんなに笑って」
輪廻が不思議そうに聞けば、「内緒」と銀花は笑う。
「あ、りんねー」
そう言って駆けつけてきたのは、輪廻の半身。
「唖李栖。って、抱きつくんじゃないの」
輪廻が手で唖李栖を阻止すれば、銀花と裕太は苦笑い。
「それより、何でみんな集まってるの??」
首を傾げて問えば、唖李栖は溜息。
「違うよ。集まってるんじゃなくて、たまたま会ったの。それに、僕らは、ね??」
唖李栖の意味ありげな言葉に、輪廻は突っ掛かりを覚えるが、時計を見て頷く。
「もう時間だ。帰らないと」
輪廻は呟くと、ニコッと唖李栖に向かって笑う。
「ありがと、教えてくれて。銀花は、どうする??」
輪廻が聞けば、銀花は「う〜ん」と唸って。
「この合宿が終わったら、急いでそっちに行こうかな」
銀花の言葉に「ん。了解した」と輪廻は笑った。
「じゃぁ、用意はしてあるから荷物もって帰るか」
輪廻は言いながら、手を上のほうにやり筋を伸ばす。
「結局、途中下車だったんだから、来なくても良かったのに」
ブスッとしながら、唖李栖は呟く。
「良いでしょ。練習、出来た…、してないか」
苦笑いで輪廻は言う。2人とも歩きながら喋っている。
「そうだよー!! 誰と、あ、輪廻は跡部さんと試合したんだっけ??」
唖李栖が聞くと、周りにも聞こえていたみたいで。
「ん?? 何のコト?? 私、ずっと医務室で寝てたじゃん」
輪廻の言葉に、周りの人達は驚きの表情を見せる。
「え、あ、そう、だね」
唖李栖がニコッと笑えば、輪廻は不思議そうで。
「お、おい!!」
裕太の声で唖李栖は振り向き、輪廻は足を止める。
「あー、試合、頑張れよ」
裕太が照れながら言えば、周助はクスッと笑って。
「いつも通りにやれば、輪廻なら“勝てる”から」
何て、軽いことを言っているんだろうと、自分でも思っている裕太。
だが、輪廻はニヤリと笑い、唖李栖はクスッと笑う。
「当たり前だろ。輪廻は負けない。それに、混合の方でも、僕達が“勝つ”んだから」
唖李栖が言えば、輪廻からは笑みが零れた。
「言われなくても、そうするよ。あ、でも」
輪廻は後ろを振り向く。
その表情には、笑み。
その笑みは、誰もを魅了するようなもので———————。
「私が負けたら、慰めてよね」
ニヤリと口元を上げれば、銀花はクスッと笑い、口を開く。
「裕太くん、気を付けてね。輪廻、“ワザと”負ける可能性もあるから」
銀花が言えば、輪廻はニコッと笑う。
「こらこら、二冠やらないといけないんだよ??」
唖李栖が言うと、銀花は苦笑い気味。
「言っても意味ないよ。唖李栖が一番、分かってるでしょ」
銀花が言えば、「勿論だよ。だけどさ」と唖李栖は落胆気味で。
「ま、応援は有難く受け取っとくね。唖李栖、行くよ」
輪廻は後ろに向かって手を振ると、ポッケに手を突っ込む。
もちろん、パーカーのだ。そして、パーカーの帽子を被った。
長い髪は、風に靡く。
顔には、自然に出ている“笑み”。
パーカーの帽子も、パーカーも、彼女の今の気分に合っていて。
『さァ、暴走する姉を止められるかな』
唖李栖はボソッと呟く。
『私に触らない方が、身のためよ?? 私は、“有毒”だから』