二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.819 )
- 日時: 2010/05/06 23:41
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: ボクハ、ジブンノメデミタモノシカ、シンジナイッ!!!
*+第二百十八話+*
「うそ、だろ??」
レギュラーの誰かがやっと、口を開き喋ったのだ。
本日、何度目かの驚き。
「これが、アイツの本気、だって言うのかよ…??」
ゆっくりと喋りながら言うのは、向日 岳人。
「でも、俺達と試合してた時は、もっとこう、慎重だった気が…」
鳳が唖李栖を見ながら呟く。
「それも、手ェ抜いてたってコトだろ?? ったく、激ダサだぜ」
宍戸は帽子を深く被ると、最後の方は自分に向かって言う。
「さぁて、次はアンタ達の番だぜ?? 準レギュラーさん」
ラケットで準レギュラーを指せば、ニヤリと笑って。
「俺のストッパーは居ないよ?? だからさ、存分に潰れろよ」
最後の方は、本当に低い声で身震いをする者も居た。
「ストッパーって、輪廻ちゃんのコトじゃないの〜??」
目をキラキラさせながら、ジローは跡部達に言う。
「多分な。せやけど、暴走する意味が分からんのや」
忍足が言ったとき、誰かの携帯の着信が鳴り響く。
「ったく、誰だ!! 部活中は電源を切れッ!!」
跡部が言うが、みんな試合に夢中だ。
「あ、俺だったC−。跡部、ごめんねー」
ジローは苦笑いをすると、電話に出る。
「もしもし〜?? あ、輪廻ちゃん。久しぶりだCー」
ニコニコと笑いながらジローは相手に言う。
周りに居たレギュラー陣は全員、驚きだ。
『もしもし?! 芥川さん、あり、ありすッ。唖李栖、そこに居ますか??』
相当焦っているのだろう。輪廻は興奮状態で、ジローに言う。
「うん、居るよ〜。氷帝のテニス部員達を、倒しちゃってるCー」
ジローはそこまで言うと、跡部に携帯を取り上げられる。
「おい、輪廻。これは、どういうコトだ。説明しろ」
跡部が聞くと、輪廻からは何も反応なし。
代わりに聞こえてきたのは、走っているであろう息。
『とりあえず、時間稼ぎして下さいッ!! じゃないと、本当に…』
輪廻はそこで話を止める。
走っているのも、止めたようで。
「じゃないと、どうなるんだ」
跡部の声に、輪廻は深呼吸をする。
『貴方達も、唖李栖も、壊れます』
輪廻の声は、いつもと同じくらい真剣な声で。
『でも、その必要、ないかも、しれません』
輪廻の口元は自然に緩む。
『大丈夫。ね、知ってます?? 私達って、異常な執着心があるそうなんです』
クスッと輪廻は笑いながら言う。
「分かってたのか、テメェは。なら、何で」
跡部が聞くと、輪廻の笑みがなくなった。
『後で、教えます。私達の“異常な執着心の理由[ワケ]を。だから、少し待ってて下さい』
プツンと、電話が切れた時には、レギュラー陣とも唖李栖は試合をしていて。
そんな時だった。
「バカありすー!!! いい加減にしなさいッ!!!」
行き成り、後ろからそんな怒鳴り声が聞こえてきて。
勿論、全員、その人物を見るために振り返る。
其処には、ニコッと笑っている、唖李栖と瓜二つの人物が。
「輪廻ちゃんだCー!!」
ジローはニコニコしながら、輪廻を見る。
「輪廻ッ?! どうして此処に…、輪廻!!」
唖李栖は輪廻の所に来ると、驚いた表情になった。
だけど、それも束の間、輪廻は唖李栖の方に倒れてきたのだ。
「何で、何で、こんな状態で走ってきたんだよッ…。りん、ね」
唖李栖は、輪廻の名前を呼びながら、ふらふら状態で。
「唖李栖?? 大丈夫??」
ジローが呼びかけるもの、唖李栖は苦しそうな表情。
「ありすッ?!」
誰かの叫び声が、唖李栖の耳に届いた。
***
『僕たちは、ずっと一緒だよ』
『ね、ね、唖李栖!! これなんて、どう??』
『大丈夫。僕はずっと、君の味方。例え、世界が君の敵になっても』
『ありすー!! 大好きだよ?? ずっと、ずっーと!!』
“いつか、話します。私達の執着心の理由を”
“だから、どうかそれまで、待っていて下さい——————————……。”