二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.834 )
日時: 2010/06/09 23:05
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: ナキソウナカオシテル。ナンデ、ナカナイノ??

*+第二百二十二話+*


誰もが、言葉を失っている中、輪廻は少し苦い顔をした。
“沈黙”と言うのは、彼女自身好きではない。
それが、自分のせいだと思うと、尚更。
胸が締め付けられていた。

「ねェ、だから??」

その中で口を開いたのは、芥川 慈郎。




























「だから、たまに悲しそうな顔、するの??」

























慈郎の言葉で、輪廻は衝撃を受けた。
(氷帝は、周りの人間を見る人が多いのかな)
心の中では笑うものの、今は笑えない。

「今も、泣きそうな顔してるCー…。泣いても、良いんだよ??」
ぎゅっと、慈郎は輪廻を抱きしめる。
輪廻の方は、状況を読めていない。

「わ、たしはっ」
輪廻がやっと声を出したときには、もう涙声。
「ちが、違うの、です。私は、貴方達が思うような、人じゃ、ない」
輪廻は喋るのと同時に、ボロボロと瞳から涙が出てくる。

「ん。分かった。でも、今だけは甘えてほしいCー。ね??」
ニコッと笑う慈郎に答えるように、涙を流していく輪廻。
「頑張るんはええけど、力み過ぎるんはよくないで」
ニコニコ笑いながら、忍足は輪廻の頭を優しく撫でる。



***


「ごめんなさい」

ペコッと腰を曲げて、輪廻は慈郎に言う。
「全然気にしてないCー。それより、もう平気??」
慈郎が首を傾げると、輪廻はゆっくりと頷く。

「おい、お前は何がしたいんだ。俺様が聞いてやるよ」
跡部が腕を組みながら言えば、輪廻は冷めた目。
「「何様ですか、跡部さん(跡部部長)」」
日吉と輪廻が同時に言うと、周りの人はクスクス笑って。

「何がしたい、でしたっけ。んっと…、何も考えてないです」
初めて、輪廻の目が揺らいだ。
「嘘付け」
跡部の指摘により、しゅんと小さくなる輪廻。

「自己満足の、復讐です。そのために、ずっとテニスを続けてたんですから」
輪廻は少し伏せて話す。
「でも、まだまだだから。きっと、まだ勝てないです。私も唖李栖も」
ニコッと笑う輪廻は、悲しそうで。

「だから、それまで、私はテニスをやり続けるんです。多分、唖李栖も」
輪廻は真っ直ぐ前を見ている。
「あ、そうだ」
輪廻は何かを思いつくと、跡部に耳打ちした。

「唖李栖は、一週間ぐらい起きないと思うので、頼んでも良いですか??」
輪廻は首を少し傾げる。
「分かった。ちょっと、待ってろ」
跡部が部屋をでると、ふぅーと、輪廻は溜息をつく。

「輪廻ちゃん、何を跡部に頼んだのー??」
慈郎が聞けば、輪廻は右手の人差し指を口元に持って息右目を瞑る。
「内緒です」
その仕草に、周りの人はドキッとしてしまって。

「それ、唖李栖もやってたよな」
宍戸が言う。もちろん、彼はドキッとしていない。
「そうなんですか?? 私は癖みたいなものですよ」
クスッと笑う少女は、本物か、偽者かなんか分からなくて。

「そういや、自分。好きな人とかおるん??」
思い出したかのように、忍足が聞く。
「好きな、人、ですか?? えっと、居ないんじゃないかな」
少し頬を赤らめながら言う、輪廻。

「自分、素直やなァ。さっきまでは分からんかったけど」
忍足の言葉が分からないのか、輪廻は首を傾げる。
「おい、持って来たぞ」
跡部は部屋に戻ってくるなり、輪廻に鞄を投げつけた。

「ありがとうございます。じゃぁ、少し待っててくださいね」




***




「おまたせ」

その声の主を見てから、全員が驚愕した。
「あ、ありす??」
慈郎が聞けば、ニコッと声の主は笑う。

「輪廻です。やっぱ、分からないものですね。鬘被ってると」
輪廻は髪の毛を触る。
いつもの唖李栖のように、ダボダボの服。

「すっげー…。唖李栖みたいだぜ」
岳人の言葉を聞くと、輪廻は口元に手をやる。
「一週間、宜しくお願いしますね。“先輩方”」
ニヤリと輪廻は笑って見せた。




























































私は、見たいんだ。





















































































唖李栖の通ってる学校を。






















































貴方達を信じても良いのか、









































































知りたいんだ。