二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.842 )
- 日時: 2010/05/14 19:34
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: ダカラサ。“ダマレ”ッテイッテンノキコエナイノカナァ…??
*+第二百二十四話+*
「おかしい、変だって…」
那紅埜はメモを取りながら、試合を見て呟く。
「何が変なんだ。那紅埜」
跡部が聞くと、那紅埜は唖李栖の試合を指差す。
「変なの。私と試合した時には、汗、そんなに出てなかった。なのに…、今は、尋常じゃない」
那紅埜の言う通り、唖李栖の汗は尋常じゃない。
「……。忍足ッ!! さっさと試合を終わらせろ」
跡部は、唖李栖と一緒に居る忍足に向かって叫ぶ。
「何そないに、焦って…。ありす??」
忍足は後ろを見ると、疑問系。
「な、何ですか?? お、したりさん」
嘘みたいに肩で息をしている“プロテニスプレイヤー”。
「自分、何でそないに息切らしてるん?? いつもは…」
忍足はそこで言葉を止めた。
それは、唖李栖が遮ったからであって。
「僕に、近づかないで、下さい」
膝に手を付きながら、片目を瞑る姿は、辛そうで。
「何でや」
すかさず言う忍足を見れば、唖李栖は苦笑い。
「壊したくなるから」
何の躊躇いもなく、唖李栖は言う。
驚いたのは、忍足と聞こえていた人達。
と言っても、レギュラーには全員聞こえているだろう。
それと、日吉、滝にも。
「こわ、え?!」
忍足が唖李栖に向かって聞く。
「そのままです。僕は、貴方達を“壊したくなる”」
真っ直ぐと、唖李栖は忍足を見ている。
「今だって、我慢してるんだ。あぁ、ったく。煩いなァ…」
右手で耳を押さえると、ニコッと笑って。
「言いコト、教えてあげようか??」
唖李栖はそこまで言えば、ラケットを空高く投げる。
「暁野宮 輪廻と暁野宮 唖李栖は、“爆弾”を抱えている」
唖李栖は、落ちてきたラケットを右手で掴む。
「ねェ、楽しませてよ」
***[跡部視点]
俺は、コイツを知っている。
いや、知っている“つもり”だった。
唖李栖のコトも輪廻のコトも。
所詮、何も分かっていなかったんだ。
***[向日視点]
何でだかわかんねーけど、
『ねェ、楽しませてよ』
と言う輪廻の言葉で、俺は寒気がした。
この感覚、知っている。
関東大会ン時の、“青学戦”
俺は同じように寒気を覚えてるんだ。
“篠鞍 零”に。
***[那紅埜視点]
ね、君は誰。
何て聞いても、きっと答えてはくれないんだよね。
だって、私と貴方は“ライバル”だもの。
そう思ってるのは、私だけ??
私、貴方の力になりたい。
そして、次の決勝戦で“本気”で戦って、悔いのない試合をしたいんだ。
***[日吉視点]
本当に、唖李栖の姉、なんだな。
言動も、仕草も、性格も、容姿も、全てソックリじゃないか。
あ、向日さんも驚いてる。
当然だ。俺も、驚いてるんだから。
それにしても、俺の目の前でニヤッと不気味悪く笑う唖李栖の姉。
最初に会ったときと別人だ。
だから、聞きたい。
どれが本物なんだよ。
***[忍足視点]
いやいや、めっちゃ吃驚してるんやけど。
俺、何したらええんやろか。
輪廻は、獲物を見つけた獣みたいに笑ってるし。
ま、ダブルスのパートナーやから良かったものの。
岳人と日吉、かわいそうやな。
にしても、姫さんは何個仮面を所持してるんや。
全部外すの、大変やで??
でも、仲良うする気はないんやっけ。
それはそれで、悲しいなァ…。
なァ、姫さん。
何をそんなに躊躇ってるん??
遠慮なんか、いらへんで。
俺達は、ずっと待ってるからな。
***[輪廻視点]
黙れ、黙れよ。
『クスクス。私の方が、効率良いんじゃない?? 簡単に潰せるよ??』
黙れってのが聞こえないの??
『私には、情がないの。だから、問答無用で潰せる。
それに、限界でしょう??』
黙れ。
『変な強がりは止めなよ。ねェ、こうた〜い』
パチン。
と言う変な音が頭ン中で響く。
あ、だめ。
駄目だって。
『ねェ、楽しませてよ』
手遅れ…??
『私なら、右手の“使い方”知ってるから』
赤い、
何処までも深い、
赤色。
私は、この色が嫌いだ。
真っ赤な色。
今でも、それを見ると、
頭が麻痺する。
何をしてるのか、
何をやってるのか
分からなくなるんだ。
『お母さんッ?! お父さんッ?! 嫌、嫌、嫌、嫌ァァァァァァァァァ!!!』
『輪廻!! 落ち着いて!! 輪廻!!!!』
一面に広がる。
赤、赤、赤、赤、赤、赤、赤、赤、赤、赤、赤、赤。