二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.847 )
日時: 2010/05/14 22:30
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: アカイ、アカイヨ。キャハハハ!!! ネェ、アリスゥ……。


*+第二百二十五話+*


「嗚呼、頭痛いなァ…」

輪廻、いや、唖李栖は頭を抑える。
そして、ぎゅっと力強くラケットを握った。

(こっちに居ても分かる。アイツの殺気が)
跡部は試合を見ながら、忍足に視線を移す。
忍足も“殺気”に気が付いているようだ。

「ッ!!」

日吉のサーブは力み過ぎたせいか、フレームに少し当たる。
そのせいで、

「唖李栖っ!!!」
忍足の叫び声が、コートに響く。
ボールは唖李栖を狙って飛んできている。

「フッ。この程度で、私に当たるとでも思っているのか??」
ニヤッと笑うと、唖李栖は少し右にズレる。
そして、右手を背中に回し、ラケットを巧く操った。

「30-0」

審判の声がコートの響き渡る。
だが、全員の視線の先は、“暁野宮 唖李栖”

「実に愉快だ。“私”はこの程度のコトを出し惜しみしていたのか。
 笑っちゃっ!! ゴホッ、ケホッ」
唖李栖はその場に座り込み、咳を連打する。

「おい!! 樺地、保健室まで運んでやれっ!!」
「ウス」
樺地は唖李栖を肩にかけると、そのまま保健室に連れて行く。

「おい、跡部。さっきの言葉なんやけど」
忍足がそこまで言うと、跡部は「分かってる」と小さく呟いた。





謎は、深まるばかりなんや。





***[輪廻視点]

『あーぁ、詰まんないのォ』

詰まんない方が有難い。

『ヤだねェ、冷たくて。ま、私に言われたくもないかァ』

ケラケラと笑う、目の前に居る“私”。

止めて。その笑い方、変。

『今更?? にしても、あいつ等、潰さなくて良いワケ??』

変なコトだけは、よく気が付くんだな。

『だって、“私は貴方”、“貴方は私”だし?? 唖李栖よりか分かるかもよ〜??』

馬鹿じゃないの。唖李栖の方が、分かってくれてる、もん。

『自信無さげだねェ?? ま、仕方ないか…。依存し過ぎるのも良くないし??』

今度は、依存なのね。

『あぁ、みんなに言われてたっけ。執着心とかなんとか』

アンタ、自分のコトなのに、アッサリしてるのね。

『クックック。“俺”は俺であり、お前ではない。違うか??』

そうね。あ、そうだ。

『ん?? 何だ、“輪廻”』

あの、んー…。





***





「ありがとう」





小さく小さく呟いた声。

だけど、それはどんな声よりも悲しく、儚く、空しいものだった。

「輪廻」

誰かが、名前を呼ぶ。

しばらくすると、薄っすら、輪廻の目が開いた。

「おし、たりさ、ん??」

ゆっくりゆっくり言えば、目の前の相手はニッコリ笑う。

「他のみんなは練習中や。具合悪そうやったけど、平気なんか??」

忍足は輪廻の顔を覗き込みながら聞く。

「……、ねェ、忍足さん。“私”何か言いましたか?? みなさんに」

輪廻の問いに忍足は少し、ポーカーフェイスを崩した。

「大体、予想は付きますけどね。ったく、好き勝手に動きやがって…」

最後の方はボソボソと輪廻は呟く。

「なァ、姫さん。さっきのは誰や?? 姫さん、じゃなかったよな」

その問いに、輪廻は苦い顔をした。

そして、ベッドから立ち上がり、ブレザーを取る。





「貴方達には関係ありません。ご迷惑をお掛けしてすいませんでした」







ぺこっとお辞儀をしてから、ブレザーを掴みながら肩に置く。
と言っても、肩に手を乗っけているのだが。





































「ごめん。レギュラーの皆さん。でも、私は」











































































言えないのです。




















































































貴方達に、これ以上、重荷を背負わせるワケにはいけないのです。




































だから、今は、テニスに専念、しろ。














































これは、命令だ。