二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.909 )
日時: 2010/07/07 22:32
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: ネンニイチド。モウイチド、アノヒトニ………。


*+第二百三十八話+*


7月7日。
本日は、七夕。
そして、輪廻と唖李栖の誕生日でもある。


「これが可愛いよー」
「僕に付けさせる気…??」
「え、ダメ…??」
「ごめん。そんなに可愛い顔されても困っちゃうんだけど」

輪廻→唖李栖→輪廻→唖李栖の順番で話す。

輪廻の手の中には、ピンク色でウサギが付いているヘアゴム。
唖李栖は、苦笑いでさっきから色々とかわしている。

「ダメだよー。そんなコト、周りの子に言っちゃ」
輪廻は手の中の物を、棚に戻す。
「何で??」
唖李栖はきょとん顔。輪廻は溜息。

「唖李栖みたいなのが、天然って言うのかな」
「あはは。輪廻には言われたくないな」

唖李栖は笑顔で、輪廻に言う。

「じゃぁ、これにしようよ!!」
輪廻が慌てて出したのは、銀色の腕輪。
「うん、良いね。えっと、レジは…」

***

「完成するの、まだだってねー。まぁ、良いか」
輪廻はそう言いながら、伸びをする。
「輪廻、人にぶつ「うわっ!!」」
“遅かった”唖李栖は直ぐにそう思った。

「すいません。大丈夫ですか??」
ぶつかった人の連れ、であろう人が輪廻に問う。
「大丈夫です。こちらこそ、すいません」
ペコッと輪廻が腰を曲げる。

そして、顔を上げれば、輪廻の眉間に皺。

「最悪…」
輪廻の小さな呟きが、唖李栖に届いた。

「久し振りじゃのぅ。お前さんたち」
「あ、」
「あいつ等…」
「ねむ…」
「久方ぶりだ」

仁王→丸井→切原→柊→柳の順番で話していく。
本人達はそっちのけで、だ。

「会いたくもない人達に“久し振り”なんて言われても嬉しくないですよ」
ニコニコと輪廻は笑う。
「輪廻、帰ろう」
唖李栖は輪廻に向かって小さく言った。

「退いてくれません?? ………、仁王さん」
ニコッと笑っているのに、目が笑っていない輪廻。
「お前さん、柊のコト嫌いじゃろ」
仁王が聞けば、紅蓮も驚いた表情で仁王を見る。

「………、邪魔です。退いてください」
輪廻は驚きながらも、無表情に変わった。
多分、これは一種の特技に入るだろう。

「あぁ、理由を言っとらんかったな。お前さんが、柊を見とらんからじゃ。
 それと、お前さんの悪意の矛先があからさまに向きすぎじゃ。
 バレんように巧くやらんとなァ…??」

クックックと輪廻の目の前の人物は笑った。

「見てるとムカつくんで、退いてくれません??」
「嫌じゃ」
「餓鬼」
「お前さんよりはマシじゃ」





———————————————プツン。





輪廻の“冷静を保つ線”が思いっ切り切れた、はず。


「はは。“退いてほしい”って言ってるんじゃないの。“退け”って言ってるの」
輪廻は笑顔のまま、仁王に言う。
「それが、本性か」
そう仁王が言えば、「チッチッチ」と人差し指で左右を振る輪廻。

「残念ながら、私に“本性”と言うものはない。さァ、退け」
最後は低く、相手を睨み付けながら。

「嫌じゃ、と言ったはずじゃが…??」
仁王の言葉を聞くと、輪廻は後ろに手をやった。
「忠告は聞くものだよ、仁王さん」
輪廻の動きは誰もが予想もしないもので、目のも見えない速さ。

仁王の左肩の上にある、“輪廻のラケット”
本人は悪びれた様子もなく、口角が上がっている。

「立海は有名な学校だよ。それに、全国出場者だ。
 そんなトコの“有能選手”の肩なんて壊したらどうなるか分かってるよね。
 輪廻、いい加減にしないと、僕も怒るよ」

唖李栖の言葉を聞くと、輪廻はラケットをバッグの中にしまう。
彼女にとっては、推測出来る範囲内だったのか、残念そうな様子もない。

「ジョークだよ、冗談。私がそんな無意味な真似をするわけないだろう」
輪廻は笑ってみせる。
唖李栖は盛大な溜息。

「仁王、もう止めておけ。コイツ、怒ってるから」
仁王の右肩に手を置くと、紅蓮は輪廻を見る。

「やァ、紅蓮。久し振り。だが、もう会わないコトを願うよ」




黒髪を靡かせて、





少女は妖しく笑う。





『さァ、ゲームをしよう。迷いウサギの悲しいゲームを』










『“先手必勝”その言葉を知っているかい?? だが、後手であまり変わらない』










『下らない。そんな実力で、私に勝てる、なんて思うな』