二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.913 )
- 日時: 2010/07/12 23:41
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: マックロコネコ。ネコカブリ、ッテトコカシラ??
*+第二百三十九話+*
「荒れてたな。何か、遭ったのか??」
裕太は言いながら、ベンチに座ってる輪廻にコーラを渡す。
「………、別に」
輪廻は無表情のまま、コーラをおでこに当てる。
「そっか。これ、誕生日プレゼントなんだけど」
裕太が袋を輪廻に渡せば、輪廻は嬉しそうに袋を開けた。
「白いうさぎと、真っ黒のうさぎ…」
輪廻は、驚いた表情でそのぬいぐるみを見る。
あまりにも、自分と一致し過ぎていたのだ。
「あー、兄貴がうさぎが好きだろうって。……、嫌か??」
「全然!! ただ、少し吃驚したの。凄く私に似てたから」
輪廻がぬいぐるみを見ながら言うと、「そうか??」と裕太の声。
「じゃぁ、テニスバッグに付けようかな。普通の鞄だと大きすぎるし」
輪廻は嬉しそうに言う。
今日、こんな表情を見たのは初めてだ。と、裕太は心の中で思った。
「ね、此処座りなよ」
ポンポン、と輪廻は自分の隣を軽く叩く。
「あぁ」
飲むついでだし、と思いながら裕太は隣に座った。
すると、
—————————————————コテン。
行き成り、左肩に何かの重み。
肩に当たっている、髪の長い彼女の毛。
自分の服の端を掴む輪廻の手。
「り、輪廻?!」
頬の温度が上昇するのが分かりながらも、相手の名前を呼ぶ。
「良いじゃん。誕生日ぐらい甘えたって」
消えそうなぐらいの声で言う輪廻。
「本当は、後ろから抱き付こうかなーって思ったんだけど止めた」
「……、止めてくれ。心臓に悪い」
「裕太がしてくれるのを、気長に待つとするよ」
「は??」
驚いている裕太を置いて、輪廻はクスクス笑う。
「だからさ、もうちょっとこのままで、居て、下さい…」
ボソボソっと輪廻は気が弱そうに喋っていく。
—————————嗚呼、その姿が可愛い、って思ってしまうなんて。
***
「あい、もしもしー」
『“あい”って何よ。まぁ、良いや。今から、連れと一緒に跡部邸に来なさい』
プツン。
と、携帯の電話が切れる。ってか、切れた。
「(ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁ)」
声に出してないが、オーラは凄いものになっている。
「り、輪廻」
苦笑い気味の裕太。
「はぁ、仕方ないなァ。裕太、行こ」
ニコッと笑ってから、テニスバッグを肩にかける。
「おい。行くって何処に行くんだよ」
裕太の言葉にニヤッと輪廻の頬が緩む。
「た、の、し、い、と、こ」
輪廻の言葉に、裕太がずっこけそうになったのは内緒だ。
(本当に、さっき甘えてきた奴かよ…)
コロコロ変わる彼女に、少しだけ裕太は溜息。
そして、その彼女と一緒に居る、という大きな幸せ。
***
「おい、雅治。俺のコト、気にしてくれるなんてどういう風の吹き回しだ…??」
紅蓮は仁王を睨み付けながら聞く。
他の人が通るのも、関係なく。
一緒に居るレギュラー達は、2人をじっと見ている。
「さァ、どういう風の吹き回しかのぅ」
仁王はクックック、と笑いながら紅蓮に言う。
「あんまり、ふざけているようだと、怒っちゃうぜ…??」
ヘラヘラ笑いながら、いつも通りに紅蓮は仁王を見た。
だけど、
目はとてつもなく、冷たい。
『あんまりのんびりしてると、怖い狼に喰われるぜ…??』
月明かりが照らす中、彼は妖しく、黒ウサギに向かって言った。
『なァ、朔夜——————————————………』