二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.927 )
日時: 2010/07/19 20:57
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: アハハハハ!!!! クルッテシマエ!!! コノセカイモ、ワタシモ!!!

*+第二百四十三話+*


「………」

輪廻はボーっとしながら、自動販売機の前に立っている。
さっき、ボタンを押したから下にはちゃんと、ある。
だが、取る気にもなれない。
そんなトキ。













「これ、君のだろう??」













透き通る声。

青い髪の毛が特徴で。

ニコッと優しく微笑まれれば、輪廻も笑顔を貼り付ける。

「ありがとう」
いつものように、いつものように。

「誰かのお見舞いかい??」
相手に問われれば、輪廻は素直に頷く。

そして、ペットボトルの蓋を開け、飲み物を口に含んだ。

「ゴホッ、ケホッ!!」
その飲み物はいつもと全く違うもの。
「大丈夫??」
背中をさすってくれる彼の手を退かす。

「こっちの方が好きかな。少し飲んじゃったけど」
そう言って見せるのは、コーラ。
「くれるの…??」
少しきょとん、と輪廻はする。

「欲しいなら、だけど」
「欲しい」
「そう。じゃぁ、あげるよ」

貰った彼女は凄く嬉しそうに笑った。

「貴方も、テニスするのね」
輪廻の視線にあるのは、彼が肩に掛かっているテニスバッグ。
「まぁ、ね。それより、君もするのかい??」
彼の言葉に、輪廻は「一応ね」と小さく言う。

「俺は幸村 精市。君は??」
手を差し出してる幸村。
「暁野宮 輪廻」
そうぶっきらぼうに言って、彼の手を握った。





この出会いが、運命を変えるなんて思ってなかったけど。




***


「へェ。部長さんなんですか」
「そうだよ。でも、勝手な部員ばかりでいつも困ってる」
「副部長さん大変ですね」
「うん。いつも、アイツには苦労かけてるよ」

あれからテニスの話題で盛り上がった2人は、屋上でおしゃべり。

「私も、会ってみたいです。幸村さんの仲間に」
ニコッと輪廻は笑う。
「じゃぁ、約束しない??」
幸村が言えば、輪廻はきょとん。

「今度、俺の通ってる学校に来てよ。そうすれば会えるしね。
 それと、俺とデートしようよ」

その発言に驚いた輪廻だったが、クスッと笑う。

「お出かけぐらいなら、構いませんよ。あ、因みに、東京以外でお願いします」
“東京”にしないのは、顔見知りに会ってしまうから。
それに、もしかしたら、彼にも会ってしまう。

「じゃぁ、約束」

そう幸村が笑った後、屋上の扉が開いた。

「幸村部長ー!! 此処に居たんッスか??」
「病室戻らんと、怒られるぜよ」
「幸村くん、お医者様が探していましたよ」
「もう時間だぜぃ」
「おい、こんなトコで喰うんじゃねー」
「幸村、体調は大丈夫なのか」
「弦一郎、先程まで軽い打ち合いをしていただろう」
「蓮二、コイツにそんなコト言っても無駄だぜ」

赤也→仁王→柳生→丸井→ジャッカル→真田→柳→紅蓮の順番で話していく。

輪廻の後姿は分からないのだろう。

ふわり、と振り向く姿は、きっと、天使の様な姿。

「こんにちは」

ニコッと笑いながら、相手を見てみる。

輪廻には、声を聞いたとき誰だか分かっていたのだが。

「お前…」

やはり、逸早く赤也の表情が歪んだ。

「クスッ。そんなに嫌そうな顔、しないで下さいよ」

そう言うと、「ね??」と言葉を続ける。

「あれ、輪廻知ってるの?? みんなのこと」

「えぇ。男子テニス部……。え??」

恐る恐る、輪廻は幸村の方を見た。

「俺はその男子テニス部の部長だよ」





輪廻は、改めて後悔をした。





幸村がみんなを囲んで何かを話している。

輪廻は壁に寄りかかり、じっとその風景を見つめていた。

「お前さんとは、縁があるのかのう」

独特の喋り方で輪廻は見ずとも誰だか分かる。

「却下ですね。そんな縁」

腕を組みながら、輪廻は即否定をした。

「知っとるか。幸村の異名」

仁王の言葉に、輪廻は首を左右に振る。

「幸村の異名はな」











———————————————————ガチャ。










「輪廻!!!!」


輪廻は仁王の言葉を聞いて驚いていたが、銀花が現れたので笑顔を装う。

「こんなトコに居たの?? 唖李栖ね、目が覚めたの。
 でも、傷が痛むらしいから、躯[カラダ]は起こせないらしいんだけど。
 輪廻のコト探してるから、会ってあげて。あ、後ね」

銀花はそこで言葉を区切る。

自分で区切ろうと思ったわけじゃない。

ただ、目に入ったのだ。

自分の仲間“だった”人達の姿が。

「普通に喋ってるから変だと思ったら…。はぁ、気付いてなかったのね」

輪廻は溜息混じりに、銀花を見る。

「それで、“後”なんなのかしら」

わざと、なのだろうか。輪廻は銀花に聞く。

「銀花が言ったこと、黙ってて。紙のコトも」

銀花が行こうとするのを、輪廻が腕を掴んで止める。

「な、何」

銀花の驚いた表情。輪廻の寂しそうな瞳。

「唖李栖と二人で話がしたい。それに、この人達に、話があるんでしょう」

輪廻はそう言うと、スタスタと唖李栖の病室に行った。

***


「輪廻!!」

彼の凄く嬉しそうな顔が、輪廻の目に入った。

「唖李栖。大丈夫なの?? 唖李栖が階段から落ちたって銀花が」

輪廻は嘘の話を瞬時に作って、唖李栖に言う。

「小さい子がぶつかってきてね。全く、僕も気が緩んでたんだね」

ふぅ、とわざとらしく唖李栖は溜息。

「ね。唖李栖」



輪廻は唖李栖のベッドに座り、ニコッと笑う。


























「大好きだよ。唖李栖」