二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.954 )
- 日時: 2010/07/28 00:24
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: 雨粒ハ俺ノ傷ヲ広ゲテイク。……、冷タイ、ナ。
*+第二百五十一話+*
「紅蓮先輩!! マジ、スイマセン!!」
紅蓮が保健室(医務室とも言う)から帰ってくると、赤也が飛びついて謝罪。
「あー、気にすんなって。真田もあんま苛めんなよ」
苦笑いで真田に言えば、腕を組み紅蓮をじっと見る。
「もう大丈夫なのか」
真田が聞くと、紅蓮は頷く。
「ほら、ちょっと冷やしたら直ぐ治った。心配すんなよ」
グーパー、とやって見せれば、赤也は驚いて紅蓮を見る。
「先輩、本当は強い、んじゃない、っスか…」
ゆっくりとそう言う赤也。
「何、言って「嘘言わないで下さい!!」」
紅蓮の言葉を遮るのは、大声を出した赤也。
「俺、聞いたんっスよ!! 幸村部長と同じくらい紅蓮先輩が強いって」
この言葉に驚いたのは、紅蓮だけ。後は、聞こえたテニス部員。
「誰から聞いた」
静かに、紅蓮が聞けば、赤也はゆっくり紅蓮を見る。
「え」
小さく小さく驚いた声を出しながら。
「だから、誰から聞いた」
その声は普段の声よりも、かなり低い。
「仁王、先輩から、っス」
途切れ途切れに赤也が言えば、紅蓮は赤也の頭を撫でる。
「な、何するんっスか!! 髪の毛がくしゃくしゃになるっス!!!」
赤也が止めるように頼めば、止まる紅蓮の手。
「お前はいつものようにしてろよ」
そう言って、ラケットを肩に掛け、コートに向かう。
「な、仁王」
ニコッと笑って、仁王を呼びかける。
「俺と、試合“しろよ”」
静かなコートに、紅蓮の声だけが響き渡る。
***[ストリートテニスコート]
私の中で、時間は止まってる。
目の前の彼は、ニコニコ笑ってて、
尋常じゃなく、ムカつく!!
「何も無いですよ。私達は仲の良い双子ですから」
ニコッと私は、何事もなかったように笑う。
「仲が良い、ってのに囚われてる可能性もあるよね」
“そんなコトない”って反論しようとしても、巧く口が開かない。
「やっぱり、何か遭ったんだね」
この時、初めて分かったことがある。
私は、不二先輩のコト、
大嫌いで、大の苦手だ——————————————————……。
「輪廻!!」
ぎゅっと、抱きしめられたかと思えば、目の前にはニコッと笑う女の子。
「杏…」
少しの安堵を漏らせば、私もニコッと笑う。
「久しぶりね、あ、でも、合宿一緒にしたか」
ニコニコ笑う彼女に、私もつられる。
「もう平気か??」
そう言うのは、裕太。
「全然平気!! じゃぁ、私も試合しよーかな!!」
パーカーの帽子を見えない程度被れば、ラケットを取りに行く。
「あ、ゆーた!! ダブルス組もうよ!! 決定ね。じゃぁ、誰か試合してくれる人」
ニコニコ笑いながら、周りを見渡す。
「なら、桃。僕と組もうよ」
「良いっスよ!! 越前以外の人となら大歓迎っス!!」
「桃先輩だって、下手じゃないっスか」
「んだと??」
ぐっと、リョーマ帽子を深く被る。
「でも、お前良かったよな。千石さん達に運んでもらって」
神尾さんが行き成り言うから、私の頭の中は「?」。
「知らねー?? 最近、また“紅髪の朔夜”って奴が現われて暴れてるらしいからよ」
危うく、心臓が飛び出そうになった。
「大丈夫ですよ。私みたいな子狙いませんよ」
狙えるわけがない。
「そうか?? ま、夜遅くに外には出ない方が良いぜ」
桃ちゃん先輩が「な??」と言いながら私の頭を撫でる。
「止めてください。ほら、早く試合しますよ」
払いのけると、私はコートに入ってぴょんぴょん、と小さく飛ぶ。
狙われるわけないじゃないか。
“紅髪の朔夜”は他でもない、私なんだから。
『心配される優しさよりも、騙していると言う罪悪感の方が痛かった』