二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.958 )
- 日時: 2010/08/02 00:06
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: If there is not you…?? Surely I was broken.
*+第二百五十二話+*
「ふふ、とても面白そうな試合だけど、やっては駄目だよ。紅蓮」
透き通るような優しい物腰で言うのは、テニス部部長の幸村 精市。
「部長?! いつ、来たんっスか!!」
赤也が驚きながら尋ねても、「ふふふ」と彼は笑ったまま。
「幸村……、お前、どうやって病院から“抜け出してきた”」
紅蓮が呆れ半分、真面目半分で聞く。
「ふふ。知りたいのk「いや、やっぱり遠慮しておく」残念だなァ…」」
危ない、と悟ったのか紅蓮は直ぐに断った。
「さて、紅蓮。試合、しないよね??」
首を傾げて幸村は紅蓮に問う。
「させる気ないくせに“しないよね??”なんて聞くなっての」
はぁ、と溜息をしながら、紅蓮は幸村の方へ行く。
「安心してよ、紅蓮。俺は君が強いの知ってるから」
「安心、出来ないな…」
「何か言った??」
「いや、何も」
その時、ニコニコ笑ってた幸村が無表情になった。
「輪廻と唖李栖とはどういう関係だい??」
紅蓮の表情が変わり、じっと幸村を見る。
「お前に話す意味が何処にある」
ゾクリ。赤也の背中に嫌な汗が出てきた。
「強いて言うなら、“部長”だから、かな」
「職権乱用だな」
クスッと幸村が笑うものの、紅蓮は無表情。
「問題が起きてからじゃ、困るんだよね」
「問題を起こす気はない。って言ったよな」
「うん。でもさ、ほら“赤也”とか居るし」
チラッと幸村は赤也に視線を映す。
「あぁ、なるほどな」
紅蓮も頷きながら、赤也を見る。
「んなっ!? ひ、酷いっスよ!!」
赤也が精一杯否定するものの、仁王達はバレない様にクスクス笑っていた。
「俺だけ、にも話してくれないのかい??」
幸村は相変わらずの笑顔で紅蓮に話しかける。
「俺に“拒否権”があるのならば、そうしたいな」
紅蓮が溜息混じりに言えば、相手は「ふふふ」と笑い口を開く。
「あるわけ、ないだろう?? じゃぁ、明後日来て」
もう、決定だ。
「はいはい、分かったよ。……、俺のしたコトしか話さないからな」
最後の方は寂しそうに、悲しそうに彼は言う。
「待ってるよ」
対照的に、もう一人は凄い笑み。
***
「どう、天才的ぃ??」
彼女は口角を上げて、敵に向かって言う。
「キツー…。普通、先輩に向かって“それ”出すかよ」
桃は苦笑いで目の前の少女を見る。
「妙技…、“綱渡り”。……、なァんて」
彼女は楽しそうに笑うのだ。
「立海、丸井ブン太の技だ…」
杏は驚きながら、彼女を見る。
「あんなの原理さえ分かれば簡単だよ、桃城さん」
ぎゅっと、ガットを触った。
「一筋縄じゃ、行かねーってコト、か」
桃城も楽しそうに笑うと、ぎゅっと、握る力を強くする。
「当たり前ですよ。私を誰だと思ってるんですか」
ニヤリ、彼女はまた笑う。
楽しい物を見つけたように。
「輪廻」
後ろから名前を呼ばれれば、直ぐ振り向く。
「何??」
いつも通りの笑顔で、いつものように。
「何か、遭ったのか?? 結構、ブレがあったから、さ」
一瞬、輪廻は目を見開いたが、ニコッと笑う。
「なァんにもないよ!! ほら、やるよ!!」
その勢いに圧倒されてか、裕太は「お、おう」と曖昧に頷く。
そして、彼女は後ろに行くと、コートを見て小さく呟いた。
「If there is not you…?? Surely I was broken.」
「何か言ったか??」
彼は振り向く。
だから、彼女は寂しそうに笑った。
「何にも言ってないよ」
“If there is not you…?? Surely I was broken.”
“もし、君が居なかったら…?? 私はきっと壊れていた”