二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.983 )
- 日時: 2010/08/19 00:03
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: 俺ト輪廻。モウ元ニハ、戻レナイ。違ウ二人。
*+第二百六十三話+*
「バァカ」
ニヤリ、と口角を緩めながら、少女は笑う。
「食べ物の恨みはヤバイ、ってこっちじゃ言わねーの??」
クスクス、と笑う姿でさえ、恐ろしい。
「まぁ、良いや。……、じゃぁな」
置いてあったビニール袋を取ると、ゴミ箱に捨てる。
「ほら、輪廻。交代だ」
***
「ふぁぁぁぁ、眠っ」
目を擦りながら、彼女は言う。
「メロンパン買ったし、試合に行こうとしましょうか」
彼女は袋から一個出すと、パクッと食べる。
「ん〜!! 美味ィ!! 唖李栖に後でお礼しなきゃね!!」
幸せそうに食べる彼女は、天使にようで。
“……、太るぞ。輪廻”
「だいじょーぶ。私、太らない体質だから」
“ほぅ?? なら、この間、増えた!! とか言って下げてたのは何処のどいつだ??”
「うっ!! それは言わないでよ…」
一気に、食べるスピードが落ちる輪廻。
そう、彼女と喋っているのは、正真正銘“朔夜”だ。
「わー、朔夜。酷い性格になったもんだねー」
“誰の所為だ、誰の”
あははは、と面白そうに笑う輪廻。
「私の所為だって言うのー?? 酷いなァ、朔夜は」
言いながら、パクッとメロンパンを食べる。
“お前も、酷い性格になったもんだ。変わりすぎだ”
「それは言いっこナシ、って約束でしょー??」
ピタッと、歩むのを止めれば、目の前に試合会場。
“お前の知り合いが、今の姿見たらどうすっかね”
一瞬、表情を固める輪廻だが、すぐに頬を緩める。
「それはそれで面白そうじゃん?? さァ、試合だよ」
ニヤリ、とさっきと同じような笑みを浮かべた。
“俺は少し眠ってるとするよ。眠いしな”
ふぁぁぁ、と欠伸の声がする。
「えー?? 私だって、眠いのにー。ズルイ」
ぶー、とまるで幼い少女のような口ぶりの輪廻。
“黙れ。アメリカに来てから、約束守ってるから眠いんだよ”
「仕方ないなァ。……、試合早く終わらせてやる」
“おい、ぶっとばすぞ”
即座に朔夜は輪廻に言う。
「嘘嘘。まぁ、寝てなよ。日本に行ったら慣れるだろうしさ」
ニコッと、彼女は笑った。
“お前、今のままで日本に行く気か??”
少し、低めな朔夜の声。
きっと、怒っているんだろう、と輪廻は思った。
「当たり前よ。ほら、試合始まる」
そう言った瞬間、
朔夜は凄い睡魔に襲われ、目を閉じる。
「大丈夫、大丈夫だから」
小さく、自分に向かって呟いた。
***
変わりたい、と願った君のために。
俺も変わるとしよう。
それが、俺が君に出来る恩返し。
………、自覚し始めた。俺の願いを。