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*標的２９*【元に戻った未歩】

「嘘…でしょ?」

ポタポタとナイフから流れ落ちる血———

その血の主はツナ。

「ねぇ!?なんでツナなの!?ツナはさっき倒したはずじゃ…」

錯乱する私。

だって、そうでしょ?なんで…ツナがこんな………

やっと…元に戻れた。でも…ツナが…!!

「お前がさっき倒したのは
　クロームが作った幻覚だ。そうだよな?クローム」

「(コクン)」

目じりに涙を浮かべながら頷くクローム。

「ボスの命令は…絶対…だから」

ガクッ…

私はその場に崩れ落ちた…

「じゃあ、本当のお父さんは?」

「ここだよ」

「雲雀さん…?ってお父さん!?」

「なんか綱吉に頼まれたからね。
　こいつを捕まえとけって…まぁ、捕まえといたしもういいか。」

『ポイ』

捨てたーーーーーーーーーーー!!!どうでもいいけど、むしろナイス☆(酷

「ごめんな…未歩。
　お前がそこまで私を恨んでいるとは思っていなかったから…」

急に話した親父。

「そりゃ、恨んでるに決まってるよ」

「………。」

でも

「でもね。こんなこと起こした自分もいけなかったんだよ。」

「だから…おあいこ!!!」

「…は?」

不思議そうな顔をして言う親父。そらそうか。

「なんてね。許してあげるってことだよ。
　それより、今はツナのことを助けないと!!!」

「許すって…それでいいのか?」

『ポン』

すると、蛍君が親父の肩を叩き言った。

「叶わないよ…ボスには…クスッ」

「そーいうこと!!!」

私はいつものテンションで言い、ツナの所へ行った。

そう…今はツナなんだ。
何故だか分からないけど、今は。

嫌な予感がするし———。