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*標的４３*【崩れた関係】

『キーンコーン…』

あ、やべ。

朝練の時間、無くなっちゃったじゃん。
ま、いっか。3年だしやること無いから。

そう、中3になると、ほとんどの部活が終わり
別に行かなくても…てか行かないようにしている。
受験生だしね。一応

「はぁ〜あ…この後授業かぁ…めんど。」

といいつつ、しぶしぶ教室へと向かった。

『ガラッ』

私の隣の席に、山本はいた。

言うことが聞かなくてドキッとしてしまう自分。

駄目だ…もう、

誰も好きにはならないって決めたんだから。

『ガタ』

私は、ちょっと離れて席に着いた。

「お!遅かったじゃねえか未歩!!なにしてたんだ?」

いつも通り話しかけてくる山本。

何で…そんなに優しいの？
あんなに…酷いことしちゃったのに

すると、山本は小声で私に囁いた。

「さっきはごめんな；
　俺らしくなかったな。もう…あんなことしねえから。」

そういって、また
苦しい笑顔を見せる山本。

そんな顔しないでよ…

ていうかホント。

許してくれるの??

「私の方こそ…さっきはごめん。
　こんなこと言うのもあれだけど…許してくれるかな…?」

「ああ!!当たり前だろ!!!」

すると、山本は超ミラクルスーパー輝いた笑顔で
あっさり許してくれた。

それを無意識にやってるとは…

山本、恐ろしい子…!!

その後、いつも通り普通に会話して

いつも通り授業中居眠りして

いつも通り先生に怒られて

いつも通り2人して廊下に立たされて(∑古っ

でも、それなりに楽しいんだこれが。

それは、きっと山本のことを好きだから…


絶対、人を好きになんてならないって思ったのに
やっぱり、そんなことは無理だ。
あの堂夢って子には悪いけど。

山本に近づかないなんて、ホント無理。

要は振り回したり傷つけたりしなけりゃいいんでしょ?

だったら気をつける。てかやらない。

それならいいでしょ?

こうして、私はやっと自分の心に整理がついたのに




また、心を揺らす黒麓堂夢が現れる———————