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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.11 )
- 日時: 2010/02/06 00:46
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
*三*居候-01
陽空が次に目を覚ましたのは何処か知らない店の中だ。
店の雰囲気だけを見ると此処はスナックとかキャバクラと言った感じの店なのだろう。
お酒のアルコールの匂いがツンと鼻に刺さる。
「あら、気がついたの??」
むくっと体を起こすとずっと自分を看病してたのか、少し茶色の入った髪を一つに纏めた綺麗な女性が立っていた。
どうやら此処で働いているキャバ嬢なのだろう。
そんな雰囲気が見えないのだから見た目で人は判断できない事が良く分かる。
「お店の前で倒れているから驚いたのよ??もう大丈夫??」
女が顔を覗きながら聞いてくる。
まるで瞳が全てを吸い込んでしまうのではないか、そんな事を思ってしまうほど綺麗な瞳に
陽空は言葉を失い、ただ頷いただけだった。
「そう、なら良かった。……でも何で貴女みたいな子がこんな所に??御家は??」
「……そんなものは無い」
素っ気無く答えて見せた。
女は目を丸くして驚いた。二人の間に沈黙が流れてしまった。
「お妙ちゃん、指名だよ。ホラあの例のお客さん」
店の方から店長らしき人が出てくる。
『お妙ちゃん』そう呼ばれた女は小さなため息をこぼした。
「……またあのゴリラね……、まったく。ねぇ貴女?私ちょっと行って来るから此処で待てってね??」
陽空の返事を聞かずにお妙は店の方へと行ってしまった。
何処にも行く当てが無いから、陽空はお妙の言った通りに此処で少し待つことにした。
「お妙さぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「しつこいんじゃ、このゴリラぁぁぁぁ!!」
店の方からはお妙を呼ぶ声と鬱陶しがるお妙の声が此処まで聞こえた。
一緒にテーブルが倒れたり、グラスが割れた音が聞こえたり、聞こえなかったり……。
長いことその騒ぎは続いた。
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