二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】闇と、 ( No.13 )
日時: 2010/02/06 20:42
名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)

-03
****

————ピンポーン……、

銀時は志村宅のインターフォンを鳴らした。
数秒後、玄関からは毎日見飽きてる新八が現れた。
その表情は何かをドン引きしている様な、呆気に取られている様な表情だった。

「お〜い、ぱっつぁん如何した?何か志村(姉)の暗黒物質(ダークマター)でも美味しそうに食べている誰かを見ている表情だぞ」
銀時は絶対にこの世で有り得ないものを例えに新八に言った。

「……そうなんです」
「あ??」
新八の声が聞こえなかったのだろう、銀時は聞きなおした。

「……姉上の…、姉上の玉子焼きを…電話で話した子が平気な顔して食べて居るんです」
銀時も、その隣に立っている神楽も目が点になって、一緒に叫んだ。

「えぇええぇええぇええ!?」

****

この女の人……お妙から陽空はいろんなことを学んだ。

一つ、人は見かけによらない。
こんな美人で清らかそうな女性なのに、お妙はキャバ嬢なのだ。
人は見かけによらない……な。
二つ目はほとんど似て居るのだが、見た目で判断してはいけないと言うこと。
今食べている玉子焼き……、見た目はダークマターだが、味はまぁまぁ……。
イヤ、結構美味しい……。

「……お妙……さん。御代わり、良い??」
昨日一日何も食べてない所為か幾らでも腹の中に入る。
「ふふ、良いわよ。ちょっと待っててね」
お妙はそう言って、台所の方へ姿を消した。

「…………」
短い時間しか居ないが、此処に居ると何でか心が休まる。
今までやってきたことを全て忘れてしまいそうな……、そんな気分になる。
「此処に居たい」
だけど、其れはいけない。此処に居ればお妙に迷惑になる。
此処に居てはいけない……、だけど何処にも行く当てが無い……如何したものか……。

————バンッ

そんなことをボーっと考えて居ると、机を挟んでの目の前の引き戸が開いた。
戸を開けたのは銀髪の天然パーマの男だった。
男の表情は何処か慌てて居る様だった。

「あっ」
陽空の小さな声が口から零れた。
その男には見覚えがあった。よくよく、見てみると昨日公園で会った男だった。

「あら、銀さん!来てたの?って如何したのそんな血相を抱えて……」
ダークマターの乗った皿を持ってお妙が台所から戻ってきた。
「ハイ、陽空ちゃん」
「……有難う」
お妙は持ってた皿を陽空に手渡した。

「え??何、其の子マジで其れ食べるの??やめて置いたほうが良いよ。其れは人の食べるものじゃないよ??
 食べたら、アレだよ??御腹壊す程度がすまないよ??その物質はそれは、それh……ゴフッ」

銀時の言葉は途中で遮られたと思うと、白目を向いて床に倒れた。