二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】闇と、 ( No.16 )
日時: 2010/02/07 00:59
名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)

*四*-過去-01

陽空が万事屋に匿われて数日が過ぎる。
陽空は家事が上手かった。掃除、料理兎に角家事全般を何から何までやって見せた。
「匿ってもらう約束の為だ」
そう言いながらも愚痴を零すことなく家事をやっている。

しかし、銀時だけでなく、万事屋三人プラス、お妙が心配していることがあった。
それは、陽空がほとんど……イヤ、全く外へ出たがらない事だ。

神楽が「一緒に外で遊びに行こう」と言っても拒むのだ。
幾ら誰かに追われていて、匿ってもらって居るとはいえ、不自然な行動だ。
そんなことを銀時が陽空に言うと、「俺の勝手だ」と冷たく言われた。

****

しかし、そんなある日の夜。
皆が静まり返り寝る時刻、銀時は物音で目が覚めた。
陽空が外へ出て行ったみたいだ。

**

陽空は外へ出て、屋根に伸びり、ボーっとしていた。
月の光を避けるように、自分の傘を差している。

「なーにやってんだ??」
急に下から声が聞こえた。下を向くと銀時が居た。

「……別に、お前こそ何なんだ??」
「あ??お前の物音の所為で目覚めちまったんだよ」
銀時がさり気無く文句を言う。

その言葉に陽空は何も言わなかった。
二人の間には沈黙が流れ始める。

「……なんで日傘なんて夜にさしてんだ??」
沈黙を破ったのは銀時のほうだった。
「何故、そんな事を聞く??お前の事だから、もっと聞きたいことが有ったんじゃないか??」
「あぁ、聞きてー事は沢山有るぞ。でもどうせお前は答えないだろ??じゃぁ答えそうな事聞いたほうが得だろ??」
「……何故だと思う??」
『日傘を差している理由』を逆に陽空は聞いて見た。

「……神楽と同じ、夜兎ではなさそうだな。神楽でも夜は傘差さねぇしな……」
「……」

「俺の一族は、夜兎と同じく、戦闘力に優れ、日の光を嫌う一族」
陽空は『何故、夜も日傘を差しているのか』話し始めたようだ。

「俺の一族の星は、陽の光どころか、月の光さえも差さない、真っ暗な星なんだよ。
 其の所為か、陽の光は勿論、月の光も苦手なんだ」
「へーそうなんだ、ふ〜んドウモアリガトウ」
銀時は棒読みで言った。

「聞いておいて棒読みか……、まぁ良い。俺もお前に聞きたい事がある。……お前、攘夷戦争に参加してただろ??」
「…………」

銀時は答えなかった。

「質問に答えてやったんだ、お前も俺の質問に答えたらどうだ??」
答えない銀時に呆れた声で陽空が言う。

「あぁ、参加してたな。そのとき、俺はお前に会ってるよ」
隠すのが面倒くさいのか、銀時が気だるそうに話した。

「ホントはお前が何故夜でも傘を手放さないのかも知ってるさ」
「……じゃぁ何故態々聞いたんだ??」
「さぁな、無言で居るのは性に合わねぇんだよ」
「…………そんな風には見えんがな……」

「……お前えげつない女だったよな」
少し間を取ってから陽空に言った。

「……今もえげつないさ、あの時よりもな」