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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】闇と、 ( No.19 )
- 日時: 2010/02/07 13:23
- 名前: 璃亞 ◆CqIRXYkxeA (ID: xAPqAgFX)
-02
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———数年前、攘夷戦争にて……
其の男は戦場に立っていた。
銀色の髪を血で染め、戦場を駆る姿は正しく、『夜叉』————
天人との戦にて男は敵からも味方からも恐れられた武人。
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夜叉は戦場を駆け抜けた。
己の剣を、己自身の如く軽やかに使い、迫り来る敵を一網打尽にしてゆく。
切手も切っても湧き出る敵に怯む事無く、確かに致命的な部分を切り、薙ぎ払う。
敵がよろめき、後ろへ倒れた。
————とどめだ——
夜叉は剣を振り上げ、敵に向かって振り下ろした。
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しかし、だ。
其の剣は誰かの素手により止められた。
今日の日の様な暗い紫の髪……若き頃の陽空である。
「ひ、陽空!スマナイ!!助かったぜ」
倒れていた男が安堵の声を上げながら言った。
「………弱い」
「は?」
陽空の小さき声が聞き取れなかったのか男が聞きなおした。
「『弱い』と言ったんだ。弱い奴は、要らない」
冷徹な声が降り掛かった来た。
その瞬間————
————グシャ
鈍い音と共に男の腹に陽空の足が貫通していた。
陽空の目には躊躇なんて無い、冷たい目をしていた。
剣を防いだ手から溢れ出る血が、肘まで伝い、地面に落ちる。
「……お前も」
陽空は夜叉の顔を冷たい目で見ながら
「お前も、弱いな。」
と言って、
夜叉の横をすり抜け戦場へ消えた。
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