*序章*————血生臭い昔からそう言われてた。自分では分からなかった、そんな匂い。昔から嗅ぎ慣れた、一族の匂い。戦いで疲れ、流れた己の汗と血。そして、傷つけた相手の血が交じり合った匂い。其れが自分たちの匂いだと知っていた。そんな匂いが嫌いで、皆離れていった。自分の一族は一人ぼっち。寂しい一族。でも戦わないと生きていない。それは自らの血が言う本能。本能には逆らえない、————其れが生き物の本能