二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 僕らの絆 ( No.41 )
- 日時: 2010/09/27 17:34
- 名前: 紅欄 ◆pDjQy.lcok (ID: C2h0WdVv)
そーとーうpしてなかったですね。すいません。
あげます!
2話 刹那の出来事
エドワード、アルフォンス、ウィンリの三人はレト教の神殿とやらについた。そこには、太陽神レトらしき大きな像とその前にひとりの少女がいた。
「へー、こいつがレトさんか」エドワードが言った。
「レト教に興味がおありで?」少女はゆっくりとエドワードたちの方へ歩み寄った。
「いや、あいにくと無宗教でね」そう言いながらエドワードは椅子に座る。ウィンリとアルフォンスは横にたっている。
「いけませんね、それは。神を信じ、敬い、日々希望と感謝に生きる……なんとすばらしいことでしょう」少女が胸に手を当て、言う。
「カミサマとやらを信じれば、死んだ人も生き返るっての?」少し苛立ちげにエドワードが言った。
「ええ。必ず」確信があるように、少女は言った。
エドワードはため息をついたあと、古ぼけたふせんだらけの手帳を開き、言った。
「水35リットル、炭素20キログラム、アンモニア4リットル、石灰1,5キログラム、リン800グラム、硝石100グラム、イオウ80グラム、フッ素7,5グラム、鉄5グラム、ケイ素3グラム、その他少量の15の元素」
「は?」少女が訳が分からないという顔をし、言った。
「一般の成人一人分として計算した人体の構成成分だ。現在の科学でもここまでわかっているのに、現に人体錬成に成功した例は報告されていない。科学でもできないことが祈ればできるって言うのか?」エドワードはそう言った。
「祈り、信じよ。さすれば汝が叶い、上寿せり!」怒り気味に少女が言う。
「ちなみにこの成分材料な、市場に行けば、子供の小遣いでも買えちまうんだぜ。人間ってのはお安くできてるんだな」エドワードが手を頭の後ろに組みながら言った。
「人は物ではありません。神の天罰が下りますよ」少女は言う。
「錬金術師は科学者だからな。カミサマとか、そういう曖昧な物は信じちゃいないんだよ。物質を理解、分解、再構築する—。カミサマを信じていないオレたちが、ある意味カミサマに一番近いところにいるってのは皮肉だな」
「ご自分を神と同列とでも?傲慢ですね」
「そういや、どっかの神話にあったっけな。『太陽に近づきすぎた英雄は、ロウで固めた翼をもがれ、地に落とされる』って」ここにきて初めて、ウィンリが口を開いた。
「兄さん、ウィンリ」重々しくアルフォンスが言った。
「おっと。こんなことを言っていた科学者でも、カミサマはお救いになられるでしょうか」エドワードが一礼して、言った。
「もちろん!改心はいつでも承りますわ!」少女はうれしそうに、手を合わせ、言った。
「今、レト教の教主、コーネロ様が、広場で、集会を行っていますわ!そこへいきましょう!」少女はエドワードの手を引き、神殿を出て行った。
残されたアルフォンスとウィンリは、お互い顔を見合わせ、走ってエドワードたちのところへ行った。