二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 不幸な少年達 【リボーン×バッカーノ!×インデックス】 ( No.30 )
日時: 2010/03/05 22:52
名前: 鈴蘭 百合音 (ID: LmekyLqy)

   第一章
    『不幸な高校生と不運な中学生』


?「おぉー・・・い!・・・インデックスーっ!!」

 そう多くもない人ごみの中から、そんな声が聞こえてきた

当「ったく。どこまで行きやがった・・・」

 人ごみから顔を出したのは高校生ぐらいの黒髪の少年だった

 彼の名前は上条当麻
 学園都市という能力開発都市からここ、亜仁伊芳へちょっとした旅行がてら来たのだが・・・

当「インデックスー!ま、まさか、また、勝手にどこかの店とか入ってないよな・・・」

 今、彼の探している少女、インデックスは一言で表すと、食いしん坊白色シスターである
 そのため、食べ物の匂いにさそわれて、幾度と無く出店に突撃していたのである
(くわしくは本編を参照☆)

 また、自分の出費が増える前に、何としてでも連れ返さなければ!
 と、上条は声を張り上げつつ、あちこちに視線を泳がせる

 とたんに、ドッ と鈍い感触が肩に響いた

当「す、すみませ —— 」

 何故か体・・・いや、腕がそのまま、ぐいっと引っ張られる

当「お、わっ !?」

 手に握っていた鞄の紐が するりと抜けていく

当(・・・盗られ・・・た・・・ッ!?)

 前のめりの姿勢のまま、上条は目だけを上げて、相手の顔を見る

 深く青い、濁ったサファイアのような目
 グレーのフードから僅かに覗く青い髪と同調するようなそんな瞳

 青年は走り去ろうとする
 上条は、倒れる体を引き起こし、走り出す為に足を踏み出す

当「 —— ・・・待ちやがれーーーーッ!!!」


**********************************


?「・・・?」

 なにかが聞こえた気がして、少年は足を止める

 いや、そんなはずはない
 この騒がしい人ごみの中じゃ

 少年は、再び足を動かし始める

 茶色くツンととがった髪形。それと同じ茶色く丸い瞳
 少年の名は、沢田綱吉
 今はいないが、笹川京子と学校行事でここまで来ている
 今はいないというのも、(ツナが)迷子になっているからである

 彼は一言で言うとマフィアだ
 ボンゴレファミリーの十代目という大きな役を任されている

ツ(・・・京子ちゃん、どこへ行ったんだろう・・・?)

 少しだけ、寂しいような気分になりながらツナはもう一度辺りを見回した

 その時

ツ「・・・ッ!?」

 ものすごいスピードで走ってきたフードの青年と、危うくぶつかりそうになった

 だけならば良かったのだが

当「 —— 悪ぃ!誰かそいつ、止めてくれっ!」

ツ「・・・っ!!」

 思わず、その声にツナは走り出していた
 お人好しな性格が、こんなところで裏目に出るとは・・・
 だが、それどころではない

ツ「ま、待てーッ!!」

 追っ手が増えたことに気づいたらしく、フードの青年は慌てたように脇道に飛び込む

当「しまっ —— 」

 それを追って、上条も脇道へと突っ込んだのだが ——

当「・・・っわッ!?」

 どんっ という鈍い音とともに上条の体は大きくはね飛ばされた

ツ「だ、大丈夫ですか・・・!?」

 続いて入ってきたツナにぶつかる直前、なんとか踏みとどまる

当「だ、大丈夫・・・。あ・・・・・・」

 ぶつかったらしき少年を見、上条は思わず息を詰まらせた

 赤い、慟哭

当(アクセラレータ・・・!?・・・いや、彼じゃない・・・)

 その少年は確かに、瞳の色も背格好も学園都市一の彼にそっくりだが まとう色が違う

 学園都市の彼は、まるで天から堕とされた堕天使のように白い色をしている
 だが、目の前の少年は黒
 赤い目と白い肌を除いた全てが黒く闇の様に染まっていた

?「・・・つっ・・・なんだ、いきなり・・・」

当「あ、っと、す、すまない。大丈夫・・・か?」

 上条は、その まとう黒の雰囲気に思わずたじろぐ

?「いや、こっちこそ・・・さっきの奴を追っていたのか?」

当「・・・あッ!・・・もう、追いつかねぇな・・・」

 はぁ、と上条は重いため息をつく

当「あ、折角 追ってもらったのに、悪かったなぁ。・・・えっと、名前・・・」

ツ「え!?お、俺は沢田綱吉。」

当「そうか・・・綱吉、助かった。・・・あ、お前は?」

屍「死神。死神屍だ。」

 はぁ、と もう一度 上条は深いため息をつき、心の中だけで叫んだ

当(・・・・・・不幸だ・・・)


**********************************


当「しっかし、人を探してる最中だったなんて。悪かったなぁ、つきあわせたみたいで」

ツ「い、いや、大丈夫です・・・たぶん|||」

ツ(なんで、こうなるの、俺!?)

当「あ・・・そうか・・・?あ、そういや一つ聞きてぇんだけど、こんくらいの娘 見なかったか?」

 上条は二人に向かって自分の肩より少し下を差す

ツ「・・・?どんな子です?」

当「・・・・・・シスター;真っ白の|||」

ツ「?」

屍「・・・;」

 呆れる二人を見て、上条はさらに落ち込んだように肩を落とす

屍「もしかして、そいつ探してんのか?」

当「あ・・・まぁ、そう。」

ツ「じゃあ、俺も手伝いますよ!結局、犯人逃がしちゃったし・・・」

当「いや、俺こそ・・・あ、じゃあ、俺もその子一緒に探すよ!」

ツ「え・・・あ、ありがとう」

屍「・・・じゃあ、俺はここで・・・ッ!!?」

 がしっ と、上条の手が屍の肩をつかむ

当「人数は多い方がいいっ!!つー訳で、頼むぞ?」

 あ、と、上条はツナの方に振り返る

当「綱吉も、敬語なんか良いから。気軽に当麻って呼んでくれたら良いから」

 さっきまでの暗さは何だったのか
 上条は明るく笑って言った



 上条は、不幸に打たれ強い