二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 不幸な少年達 【リボーン×バッカーノ!×インデックス】 ( No.43 )
- 日時: 2010/04/24 15:28
- 名前: 鈴蘭 百合音 (ID: LmekyLqy)
第二章
『不幸で不運なマフィア達』
チ「ここが亜仁伊芳?」
エ「本当にただの温泉街なんですね」
マ「そうだね。むしろ、それしかないと言ったほうが —— 」
フ「放っておいてくださいよ、マイザーさん!俺だって後悔してるんですから・・・」
巻き込まれただけのチェスやエニスはともかく、自分を巻き込んだマイザーにまで責められ、フィーロは怒りたいやら呆れたいやらで悲しくなってくる
改めて、このまち亜仁伊芳は温泉街である
通りに立ち並んでいるのは、どこを見ても温泉関係の店ばかりだし、変わったことに大抵が『亜仁』という文字を頭にくっつけていた
エ「・・・フィーロ、これからどこに行くんですか?」
フ「え?あ、『亜仁鳴荘(あにめいそう)』っていう宿屋。この通りの端ぐらいにあるはずだよ」
チ「あれ?あの店じゃない?」
チェスの声に一同がその指差すほうを見る
そこには、重みのある焼き板張りの一軒の宿屋らしき店があった
フ「あぁ、あそこ!ほら、『亜仁鳴荘』って看板見えない?」
マ「本当ですね。フィーロ、いつの間にこんな店 見つけたんです?」
フ「俺だって、少しはいいとこ見せたいじゃないですか」
マ「・・・そうですか」
半分呆れたような表情をマイザーは見せたが、フィーロは全く気づいていない
そのとき ———
フ「うわぁっ!?」
どん と横から飛び出してきた男に思い切りぶつかられる
一瞬だけよろめいたフィーロに、その青年は謝りもせず走り去ろうとする
フ「ちょっとま —— 」
そのとき、違和感に気づく
、、、
フ(俺の、ナイフが無い!?)
アメリカ時代からの癖で、いつも懐に忍ばせているナイフが無いことに気づく
大体、ここにナイフを持ってきていることがおかしいのだが
走り去っていく青年に、フィーロは思わず走り出した
フ(・・・あいつ、俺からスリやがった!!)
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ツ「・・・あれ?何か聞こえない?」
屍「・・・・・・本当だ。何か、悲鳴みたいな」
当「ちょっと、行ってみるか?」
当麻の口調は一応 聞いていたが、足はすでにそっちを向いていた
野次馬にはなりたくなかったが、気になるものは仕方ない
と、ツナたちもあわてて後を追う
そのとき、ツナは見た
白く輝く少年を
暗い裏路地に消えていく不思議な少年を
屍「・・・どうした?」
ツ「う、ううん。・・・なんでもない。」
気にはなったが、ただの通行人
気にする必要はないはず
ないはず
当「なんか、あの辺が騒がしいぜ!?」
上条は塊になった人ごみを指差す
刹那 ———
ツ「え!?」
人ごみから見えたのは、銀色の光
それがナイフの切っ先だと気づくまで、約10秒
当「・・・あっ!!あいつッ!!!」
そのナイフを握っている青年を見て、上条は思わず声をあげる
青い髪に濃いグレーのパーカー
先ほど上条から鞄を奪った、あの青年だった
青年がナイフを向ける先を、ツナはなんとなく眺めていた
そこにいたのは、外国人らしき男だった
遠目から見ただけでは少年とも青年ともとれる彼は、茶髪に淡いグリーンのスーツと、どこか浮世離れした雰囲気だった
青いあの青年は、どうやらその彼を襲っているようだった
どぉおん と、急にその場で炎があがった
野次馬が、悲鳴をあげながら散っていく
そんな中、上条は何かに気づいたように目を青年に向けている
当「・・・俺、ちょっと、加勢してくる・・・!」
ツ「え・・・ちょっ!?」
ツナの止める声が聞こえていないのか、上条は真っ直ぐ煙の中に吸い込まれていく
ツナは、一瞬迷ったが、すぐにその後を追う
戦うためではなく、止めるために
、、、
当(あれは・・・常識じゃない。・・・・・・ここまできて、異能力に会うなんて・・・)
突然の炎の直前、上条にはハッキリと見えていた
青い彼の手に握られていた白いもの
それが何であったにせよ、それを投げつけてから火があがった
ほとんど煙だけの火が
当(・・・ねらいは、目くらましか・・・っ!)
ザッと右手を大きく振るい、煙を消していく
当(これで消えるってことは・・・間違いねぇな・・・)
そう思った瞬間、左腕がつかまれる
当「・・・ッ!?」
ツ「ま、待ってくださいっ!!」
当「な、なんだ・・・よかった・・・綱吉か・・・」
ほっと、思わずため息をつく上条にツナはそれどころじゃないと喰いつく
ツ「よ、良くないよ!!危ないじゃない!」
当「えーっと、大丈夫だ。なんていうか・・・俺、普通じゃねぇみたいだし。」
ツ「・・・?」
当「綱吉は普通にあぶねぇから、逃げろよ。」
ツ「だっ、だめだよ!当麻君も逃げなきゃ・・・!!」
当「あ、あのなぁ・・・」
呆れ半分 説明する気力も半減し、上条はぐったりと肩を落とす
そのとき、風が流れ煙が流されていった
ツ「あ、・・・あれ・・・!?」
そこに見えたのは、両手を後ろ手につかまっている、青い青年だった
つかんでいるのは少年とも青年ともつかないあの外国人だった
当「あ、片付いてる・・・!?」
上条はただ唖然とした