二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 不幸な少年達 【リボーン×バッカーノ!×インデックス】 ( No.57 )
- 日時: 2010/05/22 14:59
- 名前: 鈴蘭 百合音 (ID: LmekyLqy)
間章2
『ヒロインと白』
エ「置いていかれましたね・・・」
エニスはしばらく ぼぉっとフィーロ達の走っていった方を眺めていたが、不意に我に返ったようにそう言った
その言葉はもちろん隣にいるチェスに向かって放たれたのだが ——— しばらくたっても返事が無い
エ「・・・?チェスく —— 」
エニスが振り返った先に、チェスの姿は無かった
**********************************
チ(・・・マイザーの奴、どこへ行った・・・?)
チェスは帰ってくる様子の無い二人に痺れを切らせて、一人探し回っていた
見た目が子供な為かチェスの方が迷子に見える
実際、そう思ったらしい二人の少女がこちらに駆けてくるのが見えた
京「・・・えっと、君、大丈夫?」
ハ「やっぱり、迷子ですか?」
チ「・・・本人に聞いてどうするの;・・・あと、迷子じゃないから」
呆れつつもチェスは流暢な日本語で答える
京「あ、通じてる・・・!よかった・・・」
チ「僕のことは放って置いてくれたらいいよ。人を探してるだけだから。自分の場所だってわかってるし。」
心配そうに見下ろしてくる二人の少女にチェスは大人びた調子で言ったのだが、少女たちはまだ不安そうな顔をしている
ハ「一人で大丈夫です?」
チ「へーきだよ。」
京「どんな人を探してるの?・・・お母さんとか?」
チ「・・・・・・お兄ちゃんと友達みたいな人かな?」
あくまでも、マイザーが友達である
ハ「あ!私たちも丁度 友達を探してるんです!一緒に探しませんか?」
京「そうだね!・・・えっと、僕、いいかな?」
チ「いいよ・・・もう、好きにしてくれば・・・;」
チェスは呆れたようにそう言う
自分のことなんか、放って置いてくれればいいのに
ハ「ハルは三浦ハルです!」
京「私は笹川京子。よろしくね^^」
チ「チェスワフ・メイエル。チェスって呼んでくれたらいいよ」
京「じゃあ、よろしくね^^チェス君」
京子とハルはニコニコと優しげに笑ってあっさりと自己紹介してくる
子供だから気を許してるというわけではないようだ
エ「 —— ・・・チェスくーん?」
チ「あ、エニスお姉ちゃん!」
駆けてくる黒スーツ姿を見つけ、チェスは声を上げる
エ「チェス君、急にいなくなったら心配するじゃないですか・・・!」
チ「ごめん。マイザーたちが気になって・・・」
チェスは申し訳なさそうな表情をつくる
それを見て、エニスは浅いため息をつくと仕方なさ気に言った
エ「それならそうと言ってくださいね?そうしてくれれば、私だって協力しますよ。・・・フィーロが心配なんですから」
その一言は、チェスをにやけさせるには十分だった
**********************************
四人は見てしまった
白い少女を
長く白い修道服はあちこち安全ピンで留めてあり、腰まで届く銀髪に銀色の目
京子やハルと同じぐらいの年頃の少女が ——— ファーストフード店で騒いでいる瞬間を
?「なんでなんでなんでなんでーっ!なんでとうまがいないのお腹すいたお腹すいたのにねぇねぇねぇどうしたらあれ食べられるの食べたい食べたい食べたいーっ!!」
機関銃のようにまくしたてる白いシスターの声が通りまで聞こえてくる
ふと、客らしい少女がシスターの少女をなだめている姿が目に入った
その少女は並中の男子用の制服を着ており、京子にとってはどこか風紀委員長を思い出される顔立ちをしていた
ところがなだめられているシスターは不機嫌そうな力ない表情をするばかり
見かねたチェスが仕方なしにそのファーストフード店へと入っていく
チ「お姉ちゃん、お姉ちゃん、大丈夫?」
客の少女は少し驚いたように振り返る
?「あ、うん、大丈夫だよ・・・・・・この子のお友達?」
チ「え?ち、違うよ!?」
?「そう?じゃあ、どうすればこの子落ち着くかな?」
チ「えっと、やっぱり —— 」
—————— 30分後 ——————
チェスと少女の前には食べつくされたファーストフードの包み紙などが散乱していた
そして、その中に埋もれるようにして満足げな表情で座っている白いシスターの姿が
エ「だ、大丈夫ですか?チェス君?」
チ「・・・僕の財布は空っぽになったけどね」
?「ごちそうさま。ありがとね!とうまはいつも勝手にどこかに行っちゃうんだよ。だから今日はついて来たのにいつの間にかいなくなっちゃったの」
ハ「はひ!?あなたもなんですか!?」
京「私たちもなんだよ。人捜し」
?「うん?あ、じゃあ、一緒に捜せば早いかも・・・?」
チ「・・・え、そ —— 」
?「そうだね!オレも協力しようかな?」
なんだかとんでもない方向に話がまとまっていく
そう感じたチェスが止めようとしたが、先に助けた少女に封じられた
奏「オレは如月奏。よろしく^^」
イ「インデックス。Index-Librorum-Prohibitorum。君は?」
チ「・・・チェスワフ・メイエル。チェスでいいよ」
エ「エニスです。よろしくお願いします^^」
京「私は笹川京子。こっちは三浦ハルちゃん。・・・えっと、すぐには覚えられないよね?」
ははは・・・;と苦笑いする奏の横で、インデックスはこともなげに言う
イ「5人なんて覚えるほどじゃないもん。わたしは一回見聞きしたことは忘れないから」
それは彼女の絶対記憶という特殊体質のせいだ
4(それってもしかしたら、私たちの探し人も見てたりするのかな・・・!?)
そろいもそろって皆がそう思った瞬間、インデックスはさらりと言った
イ「・・・わたし、ここにきてからは制服の子とか、日本人じゃない人は見てないよ。あ、かなは別だけど。あと、イギリスのアヴィラ以外はね。あいつの仲間には見えないもん」
京「アヴィラ・・・?」
思わずそうつぶやくと、インデックスはその幼い顔をわずかに曇らせた
イ「銀髪のノコギリ背負った子。アヴィラはね、私たちの敵なんだよ・・・」
そう言ったシスターはすっくと立ち上がると、今の言葉を振り払うように店の外へ視線を飛ばした
イ「こんな話はここまで。早くとうまたち探しに行こ!」