二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 不幸な少年達 【リボーン×バッカーノ!×インデックス】 ( No.84 )
日時: 2010/08/21 16:08
名前: 鈴蘭 百合音 (ID: NihAc8QE)

**********************************


ツ「・・・」

 ツナは、ただ一人、悩んでいた
 だが、もう、それどころではない

 静かに、ツナはポケットから手袋と死ぬ気丸を取り出した

ツ(・・・屍君だけに、戦わせはしない・・・!!)

屍「・・・っ!?」

 何かを感じ、屍は慌てて振り返る
 そこには、先ほどまでの優しい少年の姿が —— 不思議と頼もしい感じの影が広がっている

屍(あれは・・・)

 次の瞬間、そのツナの姿が消えた

 そして、屍の前へと降り立った

ツ「・・・俺も、戦う・・・・・・京子ちゃんたちのために」

 ふっと思わず苦笑いが漏れた
 やっぱり、優しい少年だ

ア「・・・」

 アヴィラはそのいきなりの突入者に表情一つ変えず、そのままノコギリを振るった

  ガ・・・ガガガガガガ

 コンクリートの地面が削れていく
 屍は後ろへ飛びずさったが、ツナはそのまま飛び上がる
 大空の死ぬ気の炎が後を追うように引いていく

ア「・・・っ!!」

 ブン と鈍い音と共に、ノコギリの刃先が変わる
 一瞬のうちにそれはツナの目の前へと ——

 しかし、そこにツナの姿は無い

ア「!?」

 その瞬間、後頭部に衝撃が走る
 ぐらりと視線がゆれ、体に力が入らなくなったのが分かる
 そして、目の前が真っ暗になった

ツ「・・・」

屍「・・・炎の噴出であそこまで速くなるとはね・・・」

 ツナは、慌てて抱きとめた少年を不思議そうに眺めていた

ツ(あんまり・・・敵意を感じなかった・・・)

 本当にこれでよかったのか、ツナは不思議な気がしてならなかった


**********************************


 勝負は、一瞬を極めた

 いくらマイザーは死なない人間だとしても、混沌状態に陥ることはある
 そうなれば、フェリアスの勝ちである

 二人は同時に踏み込んだ

 一瞬の沈黙は、永遠に感じられる

 シュゥ とフェリアスの足から少量の血飛沫が舞った
 手に持っていた呪符は見事真っ二つになっており、マイザーの圧倒的な勝ちを意味していた

マ「私は、ただこの長い時間を過ごしたわけじゃないんです。・・・貴方みたいな仲間を二度と作らないように、守る手段を探していたんです」

 足をやられ仰向けに倒れこんでしまったフェリアスにマイザーは半ば独り言のようにつぶやく

フェ「・・・お前のそういうところ・・・嫌いなんだよ」