二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 不幸な少年達 【リボーン×バッカーノ!×インデックス】 ( No.90 )
- 日時: 2010/10/03 09:18
- 名前: 鈴蘭 百合音 (ID: NihAc8QE)
間章4
『ヒロインとヒーロー』
当「え・・・じゃあ、何だ?お前らみんなマフィアなのか・・・!?」
収まりつつあったざわめきの中で、上条はそんな声をあげた
あれから、誰が呼んだのかは知らないが、警察と学園都市の警備員(アンチスキル)が来て、ちょっとした騒ぎになっていたが、今はそれも去って落ち着いている
一応怪我人の上条は救急車で搬送されそうになったが、立って歩けるし第一こっちに向かっているインデックスが心配で脱出してきた次第である
そこに浴びせられた真実に、上条はただただ唖然とするだけだった
ツ「いや、まだそうなるって決めたわけじゃ・・・」
フ「俺らはマフィアじゃない。カモッラだ」
マ「まぁ、同じようなものですけどね」
明らかに堅気じゃないと思っていた後者二人はともかく、ツナまでとは・・・と、上条は混乱気味のようだ
ツ「で、でも!当麻君の方がすごいじゃない!あの学園都市の生徒でしょ・・・!!」
なんか、必死のフォローが来た
当「・・・ツナ、本気でマフィアより凄いと思ってんのか・・・?」
ツ「?」
キョトンとするツナに上条はため息をついた
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ツ「あっ!京子ちゃん!!」
ツナが唐突に声をあげた
三人が振り返ると、そこにはそれぞれの想い人が ———
京「ツナ君?」
ずっと聞きたかったその声だった
ハ「ツナさ〜ん!!無事で良かったですぅ〜」
ツ「・・・え?ハル!?なんで!!?」
驚愕するツナにお構いなしに、ハルは飛びつく
ハ「ハル・・・ツナさんに何かあったら・・・っ」
震える声にツナは ごめん と一言だけ呟いた
ツ(ホント俺って・・・心配かけてばっかりだ・・・)
気づくと、京子が微笑みながらこちらを見ていた
—— ありがとう
何のことかは分からなかったが、ツナは微笑み返した
ツ(・・・無事で・・・良かった)
エ「フィーロ・・・!!」
フィーロのもとに真っ先にかけ寄るエニスを見て、チェスは思わず目をそらす
チ(全く・・・この間まで手すら繋いだことなかったのに・・・)
奥手すぎる仲間に半ば呆れながらもチェスは近づいてくる人物に目を向けた
チ「・・・」
マ「チェス。」
チ「・・・ごめんなさい。勝手に・・・」
マ「何も言わなくていいんですよ。無事なら、それでいいんです」
叱られた子供のような表情のチェスに、マイザーは優しく頭を撫でた
チ「・・・そんなだから・・・僕はお前が嫌いなんだよ・・・マイザー・・・」
言葉とは裏腹に、チェスの目からは大粒の涙がこぼれたのだった
イ「とうまとうまとうまとうまとうまっ!!!」
当「すいません分かりました分かりましたから俺の名前連呼しながら牙をぎらつかせないでごめんなさいーっっ!!」
あちこちに怪我を作りまくった上条にインデックスは今にも噛み付かんばかりの表情で迫っていた
イ「本当にとうまってば人の心配も知らないで勝手に突っ走っちゃうんだからいっつもいってるのにもうっ!!」
インデックスの怒りはなかなか収まりそうにないなぁ と姿を見るなり土下座モードに突入した上条は思った
しかし、顔を上げるとインデックスは目にいっぱい涙を浮かべ、それを上条には見せまいと必死になっている姿があった
上条はとりあえず気づかなかったフリをしつつ、心配をかけたということだけは真剣に謝らなければと思い直した
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フ「じゃあな。俺ら、ホテルの予約があるから」
当「あぁ、迷惑かけた。ありがとう」
ツ「ま、また、会えたら・・・っ!!」
フ「その時は、もっと普通の状況だとありがたいな」
エ「京子さん、ハルさん、インデックスさん。ありがとう」
チ「・・・」
京「ううん、こっちこそありがとう」
ハ「また、会いましょうね!」
エ「はい。会えたらいいですね」
マ「・・・じゃあ、行きましょうか」
フィーロとマイザーとエニスとチェスはそういって、日の暮れた町並みに消えていった
当「俺らも帰らなきゃな。ありがとうな、ツナ」
ツ「こっちこそ。当麻君も頑張ってね」
何を察したのか、ツナは自然とした口調でそういった
当「・・・お互い様な」
イ「ホント、ありがと。かなにも言いたかったけど、また会ったら伝えてね」
京「うん。また、会えるよね?」
イ「・・・もちろん」
ハ「インデックスちゃんも、頑張ってね!」
インデックスは満面の笑みで頷いた
ツ「じゃあね!!」
当「またな!!」
こうして、長い長い一日は幕を閉じたのだった