二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [★]... party and party - D灰 ( No.13 )
日時: 2010/02/11 13:22
名前: 向山玲羅 (ID: AzSkpKat)


  — 第二幕 —

          “ ノア ”





「おかえり、アレンくん」

長くて暗い廊下を歩いていると、後ろからそんなのんきな声が聞こえた。
声の主はもちろん・・・・

「コムイさん・・・・、ただいま」

アレンは小さく微笑みながら振り返った。
でも、その表情はどこか哀しそうに見えた。

「今回は大変だったみたいだね。傷だらけだね、アレンくん」
「はは、ホントだ。やっぱり絆創膏じゃ隠し切れませんね」

任務帰りに笑って言うのはアレンが嘘をついている証拠だ。
誰にも心配をかけたくない、と思い無理しているのが見て分かった。

コムイはアレンの肩にポンと手を置き、にっこりと優しく微笑んだ。

「任務お疲れ様。今日はもう寝ていいよ」

アレンはうつむき、小さく頷いた。

アレンの後姿を見送ると、コムイは先ほどとは全く違う真剣な表情になった。






         ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇






「暇ぁ—————っっ!!!!!」

少女———ロード・キャメロットは持っていたペンを放り投げ、椅子に寄りかかった。
その隣で呆れているのは黒髪の男、ティキ・ミック。

「暇なら宿題を終わらせろ、ロード」
「ヤダ。僕エクソシストを殺しに行きたいぃ」

転がり回りながら駄々をこねるロード。
ティキは終わりそうにない宿題の山を見て、大きくため息をついた。
それもそのはず。ロードの宿題を手伝わされているのだから。

「私も行きたい・・・・・」

不意に背後から聞こえる小さな声。

振り向くと、琥珀色の長い髪を2つに結った小さな少女が立っていた。
ぬいぐるみを持ち、透き通った金色の瞳をこちらに向けている。

————どこからどう見ても、この少女が“ノア”だとは誰一人思わないだろう。

「お前もか、メア」
「だって・・・・暇なんだもの」
「ティッキーは一昨日、イノセンス破壊しに行ったんでしょぉ!?いいなぁ〜っ」

目を輝かせている2人に何も言えないティキ。
失敗しただなんて・・・・今の2人には絶対に言えない。

ティキが再び宿題に手をつけようとした時、前の席に誰かが座っているのに気がついた。

「こいついつから居たんだ? と、思っておるじゃろう」

ニヤリと笑ってみせる魔眼の男、ワイズリー。
ティキはまたもや呆れた顔でワイズリーを睨むように見た。

その時、
ドアが開いた。
入って来たのはもちろん————

「千年公!」

メアとロードは声を合わせて言った。
そして待ってましたと言わんばかりに伯爵に飛びつく。

「おやおや、どうしたんですカv」
「暇なのぉ〜」
「エクソシストで遊びたいの・・・・・」

か、可愛い顔してなんて恐ろしい事を言うんだ・・・。
この時誰もがこう思っただろう。

伯爵はニタリと微笑み、それぞれのノアにあるカードを配った。

「これは・・・・・?」
「今回の仕事で殺してほしい人間の名前デスv」

一気に表情が明るくなるメアとロード。
トランプに書いてある名を見て、メアは一目散に部屋を出て行った。
ロードも続いて後を追う。



「—————期待してますヨ・・・・v」

伯爵は妖艶な笑みを浮かべた。