二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【D灰】Betrayal of...?≪裏・愛≫ ( No.5 )
- 日時: 2010/02/11 21:19
- 名前: 芽子 ◆rbFb2e5rbM (ID: yCPJRH6h)
「おっっ遅れてすいません!!」
室長室に到着すると、もうエクソシスト等の面々はそろっており、一斉にアレン達のいる
方向に向く。
その表情がどこか呆れ気味だ。
「…御免なさい、すっかり忘れてて」
「ああ、アレンくんなら大丈夫だよ」
すまなさそうにするアレンに、ニコッと微笑みかける室長、コムイ・リー。
リナリーの実兄で、リナリーを溺愛している。
普段はふざけるきちがいだが、やるときはしゃんとした男だ。
「その新入り君がまだでね…」
ここにいる面々が苛々としているのは、それが理由らしい。
特に──神田ユウ──などは、ここに来ることさえも面倒だった様子。
「遅れないようにとは連絡したんだけど…」
「すいまっせぇぇーん!!!!」
時計をチラッと見て心配するコムイの言葉に被さり、甲高いその声が室内に響いた。
彼等は別段驚くこともなく、そちらを振り向いた。
「遅れてごめんね、うちのフィーちゃんがしたくすんの遅いんだからっ」
そこに、一人の青年と一人の少女が居た。
煌びやかな金髪の長い巻紙を頭の横でツインテールにする瞳の大きな可愛らしげな少女。
と、白っぽい金の、柔らかそうな猫っ毛を肩上まで伸ばし、整った顔立ちが少しだるそうな表情を作っている。
「いや、いいんだよ。そういう事は誰でもあるし───…」
にこやかにコムイが言うと、少女は『良かった』とでも言うかのように満面の笑み。
神田がいいタイミングで「人に言えるタチかよ」と呟いた。
「じゃあみんな、改めて。こっちの可愛い子がベティ・エイミス。
で、こっちのイケメン君がフィース・アンソニー。よろしくしてやってね」
ベティはにこりと会釈し、だがフィースは面倒臭そうな表情ばかりだった。
そこで。アレンとフィースが偶然に目が合ってしまった。
「…!」
(何…、この感じ…)
ただ、遠くを見つめているだけのように。
寂しげに。
何かを思い出すような──そんな瞳をしている──ように、アレンは感じた。