二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

【銀魂】 バレンタインデーですね。わかります。 ( No.1 )
日時: 2010/02/14 00:27
名前: 夜郎自大 (ID: 6HmQD9.i)

主要人物
 
志村 静流(しむら しずる)
新八の妹。姉似ではあるがダークマターと言う名の玉子焼きは作らない様子
料理は不得意。
姉と兄が好き。ベタだけど自覚はない。
誤解しやすく、トラブルが偶にある。
 
第一訓
  
 空は高く遠い冬。
 立春迎えた二月の半ば。
 今日は男も女もテンションが高いバレンタインデー。
「今日はバレンタインデーと言うことで、絶品のチョコレート特集を……」
 家電屋のテレビでさえバレンタインブーム到来。
 そんな様子を目にして、以前までは呆れていたものだ。
 とりあえず私も兄はいる。チョコを渡すのも悪くない。そう考えていると自然と足が商店へ向かっていた。
 
「おっ、静流さんじゃないか」
 肩腰には刀、後方には部下を携えて、真選組の局長であり姉さんに好意を寄せているゴリ……もとい、近藤勲さん。
 そしてその後ろにいるのが土方十四郎さん。
「土方さんと一緒にお仕事ですか?」
「今はフリーではあるけどな。どうだ、一緒に店でも」
「いえいえ、お二人で楽しんできてください。私はこれから用事があるので」
 勿論、用事などさらさら無い。ただ、滅多にない休養日を私が邪魔するわけにはいかないだろう。
「んじゃ、行くか。お妙さんに宜しく伝えてくれ」
「ええ、土方さんも、また」
「ん、ああ。事故んなよ」
 
 特に世間話も持ち掛けないまま互いに通り過ぎていく。後ろを見ることもなかった。
 地面から上へ目を向けると、すぐ目の前には大勢の行列。その中には神楽ちゃんがいた。
「神楽ちゃん」
「んお、静流! 静流もここに並ぶアルか?」
「何の列?」
「チョコの限定発売ネ。数量限定で、売り切れ御免アルよ」
「そう、それじゃあ最後に並ぼうかしら」
 限定発売で数量限定であるとこの行列は納得がつく。女の目が光るセールでもあるからだろうな、と思った。
 
 徐々に徐々に前へ進んでいく列。私も一歩ずつではあるが確実に前に進んでいる。
 数量限定という旗が近付くたびに、心拍数がちょっとずつ上がる。期待もどんどん膨らんでいった。
 しかし、もうちょっとという所で、売切れてしまった。
「ごめんねえ、お姉さん。数量限定だったもんで……」
 数量限定 売り切れ御免という言葉がふと頭を過ぎった。
 結局私はチョコを買うべく、大江戸スーパーへ向かうしかなかった。