二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

【銀魂】 バレンタインデーですね。わかります。 ( No.2 )
日時: 2010/02/14 00:29
名前: 夜郎自大 (ID: 6HmQD9.i)

第二訓
 
 片手に材料片手に無料のレシピを持った私。
 作り方もよくわからないし、コンピューターさえ持ち合わせていない家庭、調べ者もねっと茶屋にまで行って調べている。
 これで大体準備はできたし、あとは家に戻って作るだけとなった。
 
 家について直ぐに台所へ向かう。レシピを身ながら準備を整え、作り始める。
 砂糖や塩などはいらない、単純なレシピではあるが見栄えが良い感じだった。写真ではの話。
 生まれつき不器用なので、悪戦苦闘しながら手を動かす。
 すでに手のひらはチョコ塗れ。エプロンにも、何故か顔にも付いている。
 “ユセン”とか、“マゼアワセ”とか、頭の上には疑問符。
 写真の見よう見まねで行なう。
 
 ようやく完成した。見栄えは悪いが、問題は味。一つ味見することにした。
 ちょこっと摘まんで口に頬張るとほろ苦い味が全体に広がる。口溶けも悪い。
 何か間違っていたのか、再確認しても間違いは見当たらない。
 
「どうしてだろう……」
 
 一人でブツブツ呟いていて、口の中にはまだあのチョコレートが転がっている。
 はっと思い、板チョコのパッケージを見ると、書かれていたのはビター味。
 見間違いをしたらしく、ミルクを買うはずが隣にあったビター味を買ってしまったようだ。
 兄はコーヒーなど飲めるものの、苦いチョコはあまり好まないと聞いた。
 変な汗が出てきて、混乱状態に陥った。
 
 でも、もう買いに行っても間に合いそうにない。作ったのならば、このまま渡してしまおうと覚悟を決める。
 
 袋の中から小さい空色の袋を取り出す。兄の着物の色に近い色だった。
 橙色のリボンを切って、自分なりに結ぶ。
 勿論、不器用な私に上手く出来るわけもない。リボンは縦向きだったり、左右異なる大きさだったりした。
 
 縦横10cmにも満たない紙袋に入れて、渡す準備は完全に出来た。
 後は、兄の仕事場に行って、渡すだけである。
 坂田さんには悪いかもしれないけど、これが限界であったので、仕方がないんだとずっと自分に言い聞かせていた。
 エプロンを外し、紙袋を手に取り、下履きをはく。
 すでに私は上機嫌だった。