二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

【銀魂】 バレンタインデーですね。わかります。 ( No.3 )
日時: 2010/02/14 00:28
名前: 夜郎自大 (ID: 6HmQD9.i)

第三訓
 
 電車を降り、しばらく歩いて付いたのはスナックお登勢。まあ、用事があるのはこっちではなく……。
 
「お登勢さん」
「いらっしゃ……ん? おや、久しぶりだね。今日はどうしたんだい」
 中に入ると、先程まで客がいたようなテーブルが真っ先に目についた。
「兄上がこちらにお邪魔していないかと思いまして。上ですか?」
「あの小僧ね。さっきまで居たんだけど、上でまたギャーギャー騒いでんじゃないのかね」
「ふふ、わかりました。有難う御座います。また伺いますね」
 後ろを向いて、そのままスナックを出た。
 職場は、ここの横にある階段を上ってすぐ。
 階段を一つひとつ上るたびに緊張感が湧いて出る。
 
 玄関が目の前に来た。期待と緊張感が高鳴る。
 一瞬帰ろうかと思ったけれど、ここまでやってきたので、思い切って開ける事にした。
 
「すいませ……」
「あっ、静流!」
「あれ!? どうしたの?」
 最悪のタイミングだった。
 神楽ちゃんが、兄にチョコを渡している瞬間に遭遇してしまった。
 もしかしたら…………。
 
「あ、ううん。ちょっと顔見たかっただけ。じゃあね」
「え?」
「新八、何かしたアルか?」
「いやいやいや! 身に覚えないけど……」
「でも、何か様子おかしかったネ! 早く行って来るアルよ!」
 
 私の中で、何かが崩れる。
 自分がとても恥ずかしくなった。
 兄はきっと………………
 
 早足でその場を去った。もう泣いても良い。
 気がつけばもう夕日が見えた。電車を待ち、家に帰ってしまおう。