二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D.Gray-man 全テノ運命ハ廻リ出ス— ( No.12 )
日時: 2010/02/20 19:13
名前: アリス (ID: tyHe3Nhg)
参照: 廻ル廻ル…全テノ運命ハ廻リ出ス——…

—03夜 叶ワヌ願イ—


藍色の瞳。
青の髪。
モデルの様な身長の高さ。
神田やラビと張り合える程だろう。
そんな少女がエクソシスト達の前に立った。


「うちはスイ!!よろしくね^^」


唖然と皆がスイを見つめる中一人だけが顔色を変えた。


——アリスだ——…。


「(あの人は…!!)」


無意識なのか分からないがアリスはそっとペンダントに触れた。
彼女がペンダントに触れる時は心理状態があまり良くない時だ。
リナリーが振り返り、震えていたアリスの手に気付きそっと握り締めた。
アリスは驚いた様に顔を上げた。


「アリス。落ち着いて…?聞きたいことがあるなら後で聞きましょ?」

「…うん。ありがとう…リナリー…」


アリスはジッとスイを見つめた。

ペンダントの中に入っている、アリスと姉との最後の写真。
それにスイはそっくりだった。
他人の空似か、それとも——…。


「彼女もこれからエクソシストだよ。みんな仲良くしてあげてね^^」

「よろしくね☆」


元気そうな笑顔を浮かばせて、スイは頭を下げた。
敬語こそは話さないものの、礼儀はきちんとなっている。
コムイが解散を命じるとエクソシストはぞろぞろと帰って行った。


アリスとリナリーを除いて。


「アリス…私先に行ってるわね。食堂で待ってるから必ず来てね?」

「うん。分かった。ありがとう。じゃあまた後でね^^」


リナリーは苦笑いを浮かばせると、食堂へと駆けて行った。
残されたのはコムイとスイとアリスのみ。
スイはコムイと話をしている。
アリスはスイの肩を叩いた。


「ん?誰?」


スイが振り返る。

やはり、似ている。
他人の空似なのかも知れない。
けれどアリスは問い掛けずにはいられなかった。
もしかしたら今目の前にいる人物が姉かも知れないのだから。


「姉さん…アリア姉さん…じゃ、ないよ、ね…?」

「アリア…?誰…?」


スイが眉間に皺を寄せた。
アリスはやはり他人の空似なのだと確信した。
急に恥ずかしさからか、アリスは顔を赤く染めた。


「ごめん…人違いだった…私、九条 アリス。よろしくね^^」


アリスはスイに笑顔を見せた——…。