二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D.Gray-man 全テノ運命ハ廻リ出ス— ( No.15 )
日時: 2010/02/22 01:03
名前: アリス (ID: tyHe3Nhg)
参照: 廻ル廻ル…全テノ運命ハ廻リ出ス——…

—06夜 影ハ儚ク消エテ行ク—


「おーい!!任務だぞー!!」


そう言いながら、男が駆けて来た。

彼の名はリーバー・ウェンハム。

科学班班長と言う偉い地位に就いている筈なのだが常にコムイにこき使われる哀れな人だ。

リーバーはアレンの前に立つと、溜め息を漏らした。


「アレン。アリス。任務だ」


走って来たのか息切れが激しいリーバーの肩をラビがポンと叩いた。
アレンとアリスはニッコリと微笑んだ。


「リナリー、行って来るね^^」

「うん、絶対帰って来てね…アリス。アレン君も絶対よ!!」

「分かってますよ。じゃあ行って来ますね」


アレンとアリスは足早に食堂から立ち去った。


「ねぇ、ラビ…」

「どした?」


ジェリーに作って貰った焼肉を口いっぱいに頬張るラビ。
リナリーは不安げに去って行く二人を見つめた。

影は儚く、消えて行った。


「悪い予感がするのは…何故…?嫌な予感がするのよ…あの二人に…何もなければ良いんだけど…」


そう言うリナリーにラビは何も答えなかった。
ただただ、視界から消えて行く二人に嫌な予感が過ぎるだけだった。


「(本当に…何もなければ良いんだけどな…)」


***


二人が室長室に行くと、珍しくコムイが起きていた。
コムイの顔も引き締まっている。
どうやら急を要する任務らしい。


「あぁ…来たね、二人共。二人には任務に付いて貰うよ。急な任務だから危険も伴うかも知れないが…頑張って。これは資料。行く間に読んでおいてね」

「何があったんですか?」

「…いきなり…一つの街が、消え去ったんだ。そこにはイノセンスの可能性があってね…捜索部隊数名が探しに行ってたんだけど急に通信が途絶えたから別の捜索部隊に行って貰ったら…街は地面ごと無くなっていたんだよ」


コムイが眉間に皺を寄せた。
アレンとアリスは唖然とする。

急に街が消えた。
明らかに不可解な現象である。
もしそれがイノセンスの力ならばそのイノセンスはとてつもなく危険だろう。


「だからもしイノセンスならば急いで取って来て貰わなければならない。ノアにイノセンスを潰されてはいけないからね。我々はこの聖戦に勝たなくちゃいけないんだ。未来の人達の為にね——…」


コムイは悲しげに下を向いた——…。