二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D.Gray-man 全テノ運命ハ廻リ出ス— ( No.16 )
日時: 2010/02/22 01:04
名前: アリス (ID: tyHe3Nhg)
参照: 廻ル廻ル…全テノ運命ハ廻リ出ス——…

—07夜 辛キ現実—


***


「あ!!そうだあ!!」


ロードが叫んだ。
ティキは驚いた様で思い切り後ろに転んだ。
その様子を見て、笑う夜。


「千年公…何処かの街一個消しに行くって言ってた!!アレンに会う為に…って!!」


***


「それにしても…鈍いですね…こんなので着けるんでしょうか…」

「今この間に休養を取っておけってこと。最近アレン頑張り過ぎだからコムイなりの親切心。私が資料読んどくから、アレンはゆっくり休んどいて?もしアクマと戦闘になったりでもして倒れられたら困るしね」


アリスが眼鏡を掛けながら言った。
アレンは少しイラッと来たのか頬を膨らませた。

最近アレンは頑張り過ぎなのだ。
アクマも人も救済する為に任務に出て寝ずに頑張っている。
その疲れが戦闘中に出るのか一緒に行くエクソシストに迷惑を掛けたりすることも最近は多い。


「僕は倒れたりしませんよ!!」

「目の下にクマ作ってる奴が何言ってんの?アレンもちょっとは休まなきゃいつか本当にぶっ倒れるよ?」


アリスに正論を言われ、アレンは押し黙る。

それもその筈。
今寝不足なのだから。
コムイが心配するのも当然だ。


「きっと3時間は掛かるだろうから…寝てて」

「分かりましたよ…」


アレンは負けた、とでも言いたげに両手を上げた。
それからそっと目を閉じると、すぐに眠りについた。

よほど疲れていたのか数秒で完全に寝てしまった。


「強がりなんかしなくて良いのに…」


クスッと微笑むとアリスはアレンの髪の毛を触った。
寝息を立てるアレンと汽車の音が交錯する。
アリスはふと外を見つめた。

平和な平原。
本当に戦争なんて起こっているのか、と言いたいぐらいのどか。
今は昼だから特に。
草木が生え、日に照らされている。


「綺麗…だな…」


アリスはそっと呟くと、目を擦った。
眠そうに大きなあくびをすると、アリスは深い眠りに落ちて行った——…。


眠りなさい。
深く、深く眠りなさい。
そして夢の中だけでも幸せにおなりなさい。
この辛い現実から、逃れなさい。
この汚い戦争にその純粋な心を汚されてしまうまで…。
今は、深い眠りに落ちて?
二度と現実を見ずに、済む様に…。


そして、もうこの聖戦に戻って来ない様に——…。