二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: —D灰 全テノ運命ハ廻リ出ス— アンケ実施中!! ( No.163 )
- 日時: 2010/04/11 22:22
- 名前: アリス (ID: cmeedneH)
- 参照: あと二日で春休み終わりだぞこのやろー
—特別番外編 アリスの過去—(グロ描写注意)
***
何てことない平凡な村。
そんな村で、彼女…九条 アリスは生きていた。
時は現在から遡り、9年前。
まだアリスが5歳だった頃から始まる。
「お姉ちゃんのばかぁ!!」
「アリスの馬鹿!!」
6歳違う姉、九条 アリア。
つまりアリスより6歳上で当時の年齢は10歳。
…相当大人げない姉の様である。
「こら!!喧嘩ばっかりしてないで、おつかいでも行って来て!!」
「だってお姉ちゃんが…」
「もうその言葉は聞き飽きました!!ホラ、お姉ちゃんも一緒に行って来て!!」
彼女等二人の姉妹の母親、九条 マリア。
その三人で家族は成り立っていた。
父親を早くに病気で亡くしてしまっていたこの家族は何故か金銭面に困ることなく過ごしていた。
無論母親だけではなく姉も生活費を補う為に働いているからだ。
マリアはアリアに買い物かごを持たせ、二人を家から追い出した。
睨み合う二人に溜め息を漏らすとマリアは二人の肩をトントン、と叩いた。
「貴方達がちゃんと帰って来られたら…おやつにしましょうか?」
「「うん!!」」
思わず意気投合してしまった二人にマリアはクスクスと微笑んだ。
二人はおやつ欲しさに走って行ったのだった。
***
「ねーぇ、お姉ちゃん?」
「何よ?寄り道は駄目だからね?」
「えー、だってあそこにおはなばたけがあるんだよ?お母さんにとってかえってあげよーよー」
「えっ、嘘!!お花畑!?じゃあ話が違うよ!!取って帰ってあげよ!!」
アリアは一目散に近くにあった花畑に駆け出すと、寝転がった。
アリスはプチプチと音を立てながら一本一本摘み取って買い物かごに入れて行く。
そこにあった一つの物質が、アリスの運命を大きく変えて行くのだ。
「…うわぁ…きれぇ…お姉ちゃん見て見て!!きれぇだよ!!」
「何?…うわぁ…凄いね…これ何処で見つけたの?」
「ここに落ちてた。もらって良いかな?」
「…良いんじゃない?」
どうでも良いと言うかの様にアリアが眉間に皺を寄せた。
アリスは買い物かごの中に大量に入れた花の下にその綺麗な物質を入れた。
キラキラと光り輝きさながらダイヤモンドの様なその物質を——…。
「さ、帰ろ」
「うん!!」
二人は少し遅れていたせいもあり、急いで帰った。
***
家に帰るとドーナツの良い香りが家中に広がっていた。
二人で急いで食べようとすると叱られたので、手を洗ってからゆっくりみんなで食べた。
「あ、お母さん!!ドーナツありがとう!!これわたしたちからのかんしゃのしるし!!」
アリスがマリアに満面の笑みで買い物かごを手渡した。
マリアはクスクス微笑むと、花を見てありがとう、ありがとうと何度も呟いた。
その日はきっと最高の日だったに違いない。
その日は…。
***
深夜。
ドゴォオオォオォオオォォンッ!!!!
大きな爆発音が聞こえ、アリスが目を覚ました。
勿論アリアやマリアもそうだ。
「な、何今の音…」
「何かの爆発音かしら…?ちょっと見て来るから二人共待ってなさい」
マリアは二人を宥め、窓から外を見た。
そこにいたのは。
異形な形をした、機械——…。
「イノセンスハ…何処ダ…」
「イノセンス…!?」
「絶対、此処ダ。此処以外ハナイ」
そう言って機械は家を破壊した。
家が半壊し、マリアが1階へと落下していく。
「お母さん!!」
アリスの悲痛な叫びも虚しく、マリアは地面へと叩き付けられた。
———お母さんを…きずつけないで…!!
「止めてぇえええええええええええええぇええぇッ!!!!」
アリスがそう叫ぶと花畑で拾った綺麗な物質がアリスの手元に飛んで来た。
物質は刀となり、アリスはそれを力強く握り締めた。
アリアが呆然とアリスを見つめた。
「お母さんを、きずつけるやつはゆるさない…!!」
そう叫び、アリスは機械の元へと飛んだ。
一刀両断…。
その言葉が機械にはお似合いであっただろう。
真っ二つに切り裂かれ、機械は悲鳴を上げながら倒れて行った。
平和が訪れるかと思われたその時。
まだ血が足りなかったのか、刀が動き出す。
方向は、マリアの方。
「だ、だめ!!おかあさ…にげてッ!!!!」
マリアは全てを受け入れたかの様に微笑み、呟いた。
「ごめんね、アリス———」
鮮血が飛び散り、マリアは息絶えた。
アリスの頬や髪にマリアの血が付着し、赤みを帯びた。
呆然とするアリスとアリアに突きつけられたのは残酷な現実のみ。
母親が死んでしまったと言う事実のみ——…。
刀は動くのを止めた。
だがしかし既に肉塊となってしまっていたマリアに息がある筈もなかったのだ…。
「い…いやぁああぁあああぁああぁッ…!!!!」
アリスは頭を抱え、泣き叫んだ——…。