二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D.Gray-man 全テノ運命ハ廻リ出ス— ( No.18 )
日時: 2010/02/25 17:09
名前: アリス (ID: tyHe3Nhg)
参照: 廻ル廻ル…全テノ運命ハ廻リ出ス——…

—08夜 我ヲ呼ブ者—


ふとアレンは目を覚ました。
真横で寝息が聞こえ、アレンは横を見た。
横でアリスが熟睡している。


「アリス…起きて下さい…」


アレンは片手で目を擦りながら、アリスを揺さぶった。
ん…とアリスは声を漏らすが起きる気配は全くない。
アレンはアリスの寝顔を見ながら、溜め息を漏らした。


「(僕はアリスにまで心配掛けてしまったのか…)」


アレンは自分より小さな身長のアリスの髪を撫でた。
アリスは夢でも見ているのか、涙を流した。
何粒も何粒も溢れ出す涙。
アレンは何も言わずアリスの涙を拭き取った。


***


ねぇ、暗いよみんな——…。
何処に行ったの…?
隠れてないで出て来てよ——…。


「みんな…何処…?」


アリスはフラフラと真っ暗な道を歩いて行く。

何故かアリスは、一人——…。

夢の中なのか。
現実なのか。
分からない。
ワカラナイ——…!!


「姉さん…母さん…父さん…一人にしないでよぉ…」


涙がボロボロと零れ落ち、ヘタリと床にアリスは座り込んだ。
それから下を向いた。
そこにあるのは。

暗く、冷たい地面だけ…。


「(此所は…何処なんだろう——…)」


虚ろな表情でアリスは上を向いた。

眩しくなる程の光が差し込み、アリスは思わず手で顔を覆って下を向いた。


『…リス…アリス…』


光の方から彼女を呼ぶ声が聞こえた。
アリスはまた顔を上げた。


「誰…?私を、呼ぶのは——…」


『ホラ、アリス早く来て!!』

『みんな待ってますよ!!』

『早く来るさぁ!!』

『…チッ…早く来い』


次々と声が光の方から聞こえて来る。
聞き覚えのある、声。


「リナリ…ラビ…アレン…ユウ…?」


アリスは呆然と声を聞いた。
早く、早くと急かす様な内容ばかりだ。


「私…帰って良いんだ…今…行くね!!」


アリスが光に向かって駆け出した時。
光は一瞬にして消し去った。
声も消え、静寂が辺りを包み込む。
暗闇がまた訪れる。


「どうして…どうして!?」


アリスの声は静かに響き渡った。
そしてすぐに声が聞こえた。


『駄目…貴女は生まれちゃ駄目だったのよ…早く…早く戻りなさい…在るべき所へ…』


その声と共にアリスは闇へと落ちて行った。