二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D灰 全テノ運命ハ廻リ出ス— アンケ実施中!! ( No.200 )
日時: 2010/04/25 13:22
名前: アリス (ID: B9PxCLY9)

—第26夜 二ツノ選択肢—


***


「あーあ…」

「何溜め息ついてるのぉ?」


溜め息を漏らすロードにソカルが問い掛けた。
ロードはクスクスと微笑み、頭を指差した。
ソカルは首を傾げた。


「頭使いなよぉ〜さっきの話聞かれてたよぉ〜」

「知ってたよ♪気付いてなかったのはティッキーぐらいじゃない?」


ソカルがニコニコと微笑みながらティキを見た。
夜は鼻で笑い、ソカルとロードの肩を叩いた。


「奴等は直に気付くさ。スイの様なアクマなんて仲間に入れるべきではなかったと。そしてスイはいつか帰って来る…私達の所にな…」


夜は笑いを堪える様に口に手を当てた。

まるで必ずスイが教団を裏切るとでも言うかの様に…。
またすぐに帰って来るとでも言うかの様に…。


「キャハハ♪夜キツぅい♪」

「まぁ事実なんだけどぉ〜」


ロードがクスクスと微笑んだ。

スイがこの世界に入るかどうかはスイ自身にかかっている。
ノア達の元に帰って来るか…エクソシスト達の所に残るか。
どちらにせよ、スイには辛い選択肢ばかり。


「精々頑張りなよ?スイ…」


ロードは怪しげな笑みを溢し、飴を口に含んだ。
飴を包んでいた紙を片手でくしゃりと握りつぶしロードはスイの言葉を思い出していた——…。


***


リナリーが息を切らし、科学班の部屋へと戻って来た。
リナリーのことをみんながジロリと見つめた。


「あれ?リナリー?スイは?」

「もうすぐ…来れるからって先行っててって言われて…」


若干気分が沈み気味なリナリーに気付く全員。
だが何となく言ってはいけない感じがして全員が聞かなかった。
リナリーから発される負のオーラ。
それに全員が押し黙った。


「じゃあもうそろそろ来るんですね。早く行きたいんでいきなり足手纏いになられると困りますから」

「案外毒舌だな彩人…」


毒舌をかます彩人にテッサイアが呟いた。
彩人は涼しげな顔をして、そうですか?なんて問い掛けた。
此処にいるエクソシスト全員がそんな光景を見て何となく微笑ましいと思った。
その時は微笑ましかった。

しかし…。


すぐに危険なことが訪れることがあるのを彼等は知らなかった。

例えどれだけの死者が出ようとエクソシストは生き残り、世界の終焉を止めなくてはならない。
伯爵を倒し、世界に平和が訪れるまで彼等は進み続けなければならない。

身近な者が死んでしまっても。
大好きな者が死んでしまっても。

いくら試練が訪れようと彼等は乗り越えなくてはいけないのだ。


辛く悲しいだけのこの戦争の中で——…。