二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D灰 全テノ運命ハ廻リ出ス— アンケ実施中!! ( No.201 )
日時: 2010/04/26 20:57
名前: アリス (ID: 7us28xUs)

—第27夜 刹那ノ先ニ—


そこでスイが少々機嫌が悪そうに顔をしかめながら入って来た。
リナリーの表情が一瞬だけ固まったのが分かった。
全員は咄嗟に気付いた。
この二人に何かがあったのだと。


「遅れても何も言うことはないのですか?」


彩人がスイを睨む。
スイは軽く舌打ちすると、彩人にペコリと頭を下げた。
どうやら虫の居所が悪いらしく眉間に皺を寄せていかにも不機嫌そうだ。


「とりあえず兄さんの机に置いてた書類解読するわね?」


リナリーが一息ついてから読み出した。


1、イタリア

クラウス、リナリー、彩人

2、ロシア
アレン、テッサイア


3、ドイツ
スイ、アリス


特に接点はなさそうに見えるこのメンバー。
事実接点はなく、コムイの独断と偏見のメンバーなのだ。


「あら?何か筆記事項だわ」


コムイの字らしきものでPSと書かれていた。
それに続くものは。
リナリーが眉間に皺を寄せながらそれをつらつらと読み出した。


「スイちゃんとアリスちゃんの所は特に辛いから気を引き締めて頑張ってね…って」


二人が面倒臭そうに顔を歪めた。
それから顔を見合わせ、二人はクスッと微笑んだ。


***


「本当に…面倒な仕事押し付けてくれちゃって…っと!!」


アリスが刀を片手に髪をくくりだす。
スイがクスクスと笑いながらイノセンスを発動させた。
目の前には数え切れない程のアクマ達。
そこにはレベル1からレベル4までのアクマが勢揃いしている。
まるでこの数では勝てないだろうとにやけているアクマ。
それをよそにスイとアリスは落ち着いている。
いつの間にかアリスは髪をくくり終わっていた。

まるデ余裕とデモ言うかノ様に——…。


「なぜいつまでもよゆうでいられるのです?」


先陣を切ってレベル4が二人に飛び込んで来た。
スイもアリスもピクリとも動かない。
その態度に腹が立ったとでも言いたげにレベル4は突撃して来る速度を上げた。


「本当に…暇な奴♪」

「そうだね^^」

「わらってられるのもいまのうちですよ!!」


次の瞬間。
レベル4の動きがピタリと止まり、もがき苦しみ出した。
一瞬の出来事で他のアクマは何が起こったのかさえ分からず、ただ呆然と立ち尽くしていた。


「イノセンス第二開放——『毒華』…この技は一度斬った者を必ず死に至らしめる毒を体内に入れられる。あと3分ともつのかなぁ…♪」

「3分も苦しむのは嫌だよね?うちが楽にしてあげる^^」


ニコニコと微笑み、スイがイノセンスの扇を勢い良く振りかざした。
その途端。
嵐…いやそれ以上の風がレベル4の周りを包み込んだ。
レベル4の体が細切れて行き、残されたのは肉片のみ。


「イノセンス第二開放——『風嵐』。対象の敵を包囲することでその敵を細切れにすることが出来る。今のところレベル4まで細切れに出来ることが立証済み^^」


笑顔を覗かせスイは呟いた。
アリスがえげつないねぇ♪と声を漏らすがそんなことお構いなしである。
二人はアクマの大群の前に胸を張り、立つと笑みを溢した。


「「さぁ、次の相手は誰?」」


戦いは始まったばかり——…。