二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: —D灰 全テノ運命ハ廻リ出ス— アンケ実施中!! ( No.224 )
- 日時: 2010/06/01 16:40
- 名前: アリス (ID: /jbXLzGv)
—第34夜 過去ト現実—
暫く伯爵とスイは二人で話をしていた。
話がある程度まで終わったのか、伯爵がスイの頭を撫でて扉に入って行った。
一人残されたスイは嬉しげに顔を輝かせながら、伯爵が消えた所を見つめていた。
あの強かった元帥はいないのか!?
私はどうしても確かめたくなりスイの後ろを取りスイを殴った。
アクマにしてはあっさりと倒れると、スイは意識を失った。
『もう…いないのか…強かったお前は…』
私は何故か悲しくなり、スイを殺す為に手をスイの首元に当てた。
力を込めてスイの首を掴もうとしたその時。
スイの瞳が見開かれ、私は驚き後ろに数歩下がった。
『また貴女ですか…いい加減にしてくれませんかね…せっかくあの子と一緒だと言うのに…』
あいつが、またやって来た。
スイの意識を乗っ取って。
私が、唯一倒せなかったたった一人の相手。
あいつが、こいつの体の中に。
私はあいつにノアの力で生み出したナイフを突きつけた。
『あら…私を殺すんですか…?ノア風情が!!』
『黙れ…お前は甘い。甘過ぎる。それが命取りだったのさ!!』
『ふふ…殺すなら殺せば良いですよ…けれど伯爵はこの子を好いている…殺せばどうなるかは…貴女が一番知っているのでは?』
私は静かに手を下ろし、スイの体から離れた。
『良い子ですね…もう二度と会うこともないでしょうが、さよなら…』
あいつが目を閉じると、スイの体は倒れた。
残された私はずっと——…あいつにまた会えることを、またあいつと戦えることを切に願っていた。
その願いはずっと叶わずに…今スイと戦っていると言う訳さ…。
***
「相変わらず苛立つ顔だなスイ!!いや、アリア!!」
「私はスイ!!アリアなんて知らない!!」
スイはそう叫んだ。
次の瞬間。
ガキイィイイイン!!
盛大に音が鳴り響き、夜もスイも彼女の方を向いた。
「アリス…!?」
「ごめんね、スイ♪ちょっと野暮用でさ!!」
イノセンスで夜を振り切ると、アリスはキッと鋭く夜を睨んだ。
夜は余計な邪魔者に腹を立てたのか、舌打ちを漏らして二人に突撃した。
「私達じゃ、あんたは敵う筈もないよ♪」
アリスはイノセンスを躊躇もせずに勢い良く振り下ろした。
肉が斬れた音がして、血飛沫がアリスとスイにかかった。
「くっ…くそ…貴様等覚えていろ…いつか二人共殺してやる!!」
呪いの言葉を吐き、夜は走り去った——…。