二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D.Gray-man 全テノ運命ハ廻リ出ス— オリ ( No.25 )
日時: 2010/03/02 18:25
名前: アリス (ID: tyHe3Nhg)
参照: 廻ル廻ル…全テノ運命ハ廻リ出ス——…

—10夜 待チ受ケル者ハ…—


「あ…エクソシスト様方お着きになられましたか!!」


そう言って重そうな鞄を背負いながら走って来る少女。

…正直走っているのかと言う位遅いが。


「私は捜索部隊のリエンで御座います。以後御見知りおきを」


リエンと言う少女は深々と頭を下げた。

礼儀の正しい、良い子だ。
運動は苦手な様だが。


「えーと、リエン…状況はどう?」

「この大きな穴…やはり街は消されたのですか?それとも…?」

「そこの所は私達ではハッキリ致しません…すいません…ですが見て下さい…これを」


リエンが地面を指差した。

そこにあるのはただの茶色い土。
だがある筈の草が無いのだ。
周りの土の上には青々と草が茂っているのに、そこだけはない。
まるで誰かが毟り取ったとでも言う様に…。


「気付きましたか?この草が毟り取られたかの様になっているのを…」

「これが何を意味するんですか?」


アレンがリエンに問い掛けた。
リエンが答える前にアリスが答えた。


「…人間がただこの周りだけ草を毟り取るとは考えづらい。考えられるのはただ一つ。この街はもしかするとノアや何者かの力によって消されたかも知れないってこと」

「ど、どういうことですか?」


未だに理解出来ていないのか、アレンが頭を押さえた。
リエンとアリスは思わず溜め息を漏らした。
アリスは鬱陶しそうに頭を掻いた。


「まぁだ分かんない?ホラ、ここの草見て?焼かれたみたいに黒いじゃん?」


アリスが指差す先には黒ずんだ雑草。

何らかの力で燃やされかけたがかろうじて生き延びたことを物語る、雑草。
それが意味するは…。


「簡単に要約しちゃえば、この近くに絶大な力を持った“何か”がいるってことだよ」

「“何か”…?」

「ノアかも知れないし、レベル4かも知れない。とにかく…危険。リエン。捜索部隊全員を連れて教団に戻ってて!!」

「わ、分かりました!!今すぐ戻ります!!」


本気で走っているのかと言う位遅い速度でリエンは走って行った。
アリスとアレンはホッと安堵の息を漏らすと、周りを見渡した。

先程から立ち込めている殺気。
それは明らかにこの街を消した“何か”によるもの。


「そこにいるのは誰?貴方でしょ?この街を消し、罪も無い人達の命を奪ったのは…」

「先程から気付いてますよ。立ち込めている殺気に…」


二人が一斉に近くの茂みを指差した。
そこから出て来たのは…。


「オヤオヤ…気付かれていましたカ♪」


千年公だった——…。