二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D.Gray-man 全テノ運命ハ廻リ出ス— オリ ( No.35 )
日時: 2010/03/05 15:44
名前: アリス (ID: FMKR4.uV)
参照: 廻ル廻ル…全テノ運命ハ廻リ出ス——…

—13夜 神ハドチラノ味方カ—


二人はそっとリエンの横に座り込んだ。
安らかな表情を浮かばせている、リエン。

リエンは仲間の為に死ねることが嬉しかったのだろうか。
仲間を心より信頼ていた、リエン。
それに神が与えたのは悲しい死のみ。


「リエン…ッ」


だんだんと冷たくなって行くリエンの体をアリスは抱き寄せた。
アレンも力強く歯を食いしばった。


***


「あれぇ?伯爵おかえりぃ♪その子はぁ?」


ロードが夜に抱き付きながら問い掛けた。
伯爵はにこやかにロードに笑い掛けた。
伯爵の横から少女と思われる人影が顔を覗かせた。


「可愛い子ぉ♪」

「僕はソカル・ヴィオス♪言っとくけど女じゃないからねぇ♪」


ソカルが悪戯っぽく笑みを零した。
ロードと夜が少し驚いた様に顔を見合わせた。
夜は伯爵を見つめると、話を進めた。


「伯爵。久しいな」

「オヤ…♪久し振りですネ、夜♪」

「結局頼まれた物はなかったぞ」

「そうですカ…♪まあ簡単に見付かるとは思っていませんガ♪」


少ししょんぼりと伯爵が下を向いた。


「伯爵ぅ、アレン達どうだったぁ?」

「元気でしタ♪」

「アレン・ウォーカー…十四番目の記憶を受け継いだ者だよねぇ♪」

「十四番目の記憶を受け継いでる者か…消せと言われれば消して来るがな…」


夜が手の骨をパキパキと鳴らした。
ロードがキッと夜を睨み付ける。


「夜駄目!!アレンは僕の玩具!!」

「とにかく今日は寝なさイ♪明日も夜とソカルはいますカラ♪」

「うぅ〜ん…まあ明日もいるなら…」


ロードは渋々ソカルと一緒に部屋へと戻って行った。
(ちなみにティキは既に眠りについています)
静まり返る部屋には伯爵と夜の二人——…。


「知らないのですカ♪?夜ハ♪」

「何のことだ」

「十四番目の記憶を受け継いだ者は2人いるのでス♪」


夜の表情が驚きに変わる。
今まで伯爵に言われて仕事に出ていたのだからそんなこと知る筈も、知るよしもない。


「…何者だ」

「話はまだ終わっていませんヨ♪それにエクソシストの中にはアクマが一人イル♪いや…二人でス♪」

「二人…!?異例だな」


夜は驚いた様に声を荒げるものの表向きは普通である。
伯爵はつまらなさそうに夜を見つめた。

伯爵にとってアレンとアリスとスイ以外のエクソシストは邪魔なだけ。


「そう、異例でス♪だから私の言った三人は殺さないで下さイ♪見張りがいがあル♪」

「そうか。まあ覚えていればだがな」

「よろしく頼みますヨ♪私はアダム第一使徒千年伯爵♪神様を闇に召すまで私達は止まらなイ♪止まってはいけないのですカラ♪こんな所で止まっている訳にはいかないんでス♪」


夜は横目に伯爵が騒ぎ立てるのを見つめると、溜め息を漏らした。


「もう夜だ。早く寝よう。私は疲れた…」

「そうですネ♪早く寝ましょウ♪」


神様を闇に召すまでノアの一族は止まらない。
進み続けなければいけないのだから——…。