二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D.Gray-man 全テノ運命ハ廻リ出ス— ( No.85 )
日時: 2010/03/15 19:26
名前: アリス (ID: tyHe3Nhg)
参照: 廻ル廻ル…全テノ運命ハ廻リ出ス——…

—18夜 怪シイ人影—


***


「へぇ…此所が黒の教団本部かぁ…」


ロードが辺りをグルリと見回した。
ロードだけではなくソカルや夜やティキも初めてらしく、落ち着きがない。


「んで、これからどうすんだよ?このまま歩いてたら誰かに見付かるぜ?」

「大丈夫だ。その点は心配ない。私の能力で私達の体は一定時間見えない様になっている」

「便利な能力だね♪」


ソカルが楽しげに呟いた。
心なしか表情も嬉しげに見える。

…いつも笑っているので分かりづらいが…。


「とにかくエクソシストとの馴れ合いは駄目だ。効力が弱まる。知ってる奴を見掛けても突撃しないことだ!!」

「…熱弁中悪ぃんだけど、お二方もう行っちまったぜ」


ティキが少々怯えた様に夜に言った。
夜の表情と動きが固まる。
夜がふと眉間に皺を寄せ、ティキの手を力強く掴んだ。
恐らくロードとソカルが行ったであろう方向に行く為である。


「私から離れてしまったら効力が弱まりだんだん体が見えて来てしまう…そうなる前に見付けなければ伯爵に半殺しにされるぞ!!」

「伯爵に半殺しはご遠慮願いたいな…急ぐか」


ティキは疲れ切った様に溜め息を漏らした。
夜はクスッと微笑むと、走る速度を早めて行った。
食堂では盛大にパーティーが行われようとしていた。


***


「ユーウッ!!」

「…抱き付くな。暑苦しい」

「今日は寒いし!!」


そんな訳の分からないことを言って離れる気もさらさらないアリス。
それを横目にラビは深い溜め息を漏らした。


「どうしたんですか?ラビ。似合わない溜め息なんかついて」

「何でもない…そう言えば俺等はパーティーの準備手伝わなくて良いんさ?」

「何かコムイさんには珍しく僕達の体の心配してくれてましたよ。裏があるとしか思えませんけどね」


アレンは冷静にキッパリと言い放った。

どれだけコムイに信頼がないか伺い知れる。
コムリンやらコムビタンDの事件以来エクソシストからの信頼は勿論捜索部隊にも信頼されない様になって来ている。
全て自分の責任な為何も言えないが。


「あ…そう言えば今日のパーティー楽しみだね♪久し振りだな…みんなで仲良くこんなの出来るなんて」

「そうさね」


いつの間にか神田から離れていたアリスがラビに笑い掛けた。
アリスが辺りをキョロキョロと見回した。


「どうしたんさ?」

「何か誰かが見てる気がして…気のせいかも知れないけど…」

「気のせいじゃないですか?」


アレンが辺りを見渡し、にこやかに微笑んだ。
アリスは、なら良いんだけど…とまた神田の所へと走り去って行った。


「異様な雰囲気…ですかね?」

「いつもと同じな気がするけどな…まぁ用心するにこしたことないさ」

「ですね」


二人は壁にもたれ掛かると、会場である食堂を睨む様に見つめた——…。