二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: —D.Gray-man 全テノ運命ハ廻リ出ス— ( No.87 )
日時: 2010/03/25 19:03
名前: アリス (ID: tyHe3Nhg)
参照: 春休み満喫中!!

—20夜 深マル謎—


「憂さ晴らしじゃなくてな!!此所の奴等を殺すと色々大変なんだ!!」

「とか言って夜も殺しちゃったんでしょ?」


ロードがニヤリと不敵に笑った。

血だらけの夜の手が物語るのは、人を殺したと言う事実のみ。

厄介なことになった…と頭を抱えるティキの肩を夜がポン、と叩いた。


「何だよ?」

「…伯爵に言い訳…よろしく頼むな」


ティキの叫び声が響き渡ったのは言うまでもない。


***


スイはコムイに謝る為に科学班の部屋の前まで来ていた。
けれど勇気が出せずどうも中に入れない。


———貴女そんなに弱い子だったんですか…?


スイの頭の中で美しい、凛とした声が響いた。
スイは軽く舌打ちすると、ハァ…と溜め息を漏らした。


「うちだって分かんないよ…それより本当あんた誰なの?」


辺りを見回すスイ。
辺りには誰もおらず、一人もいない。
妙な静けさである。
まるで何かを世兆するかの様に。

スイの頭の中で響く声。
この正体は分からず、スイにしか聞こえていない様子。
ただ、教団に来た日から声が聞こえ出したのだ。

クスクスと声が笑う。


「な、何がおかしい!!」

———私ですか?…分かりません。けど、此所はとても懐かしい気がしてならないんです…全てが私を歓迎してくれている様です…あぁ…貴女には言っていませんでしたが私は——…貴女の体の持ち主です。


スイがドキッとした様に肩を竦めた。


「あんたが…うちの、体…?」

———はい…けれど名前も…年齢も…容姿さえも…私には分かりません…貴女が突き止めて欲しいんです…。

「んなこと言われても…」


スイが面倒臭いとでも言うかの様に眉間に皺を寄せた。
声が悲しげな溜め息をつく。


「何。うちに何か文句でも!?」

———いえ…もう貴女には期待しませんから…。


そう言って声はフッと消えた。
スイは一体何だったんだ…と声を漏らし、また深い溜め息をついた。


***


ほぼ同時刻。
パーティーが始まり出そうとしていた。

色とりどりの食べ物に飾り付け。
これぞパーティーとしか言い様のない物ばかりが並んでいる。
アレンが幾度となくつまみ食いをしようとして今まで全てリナリーとジェリーによって防がれている。


「アレンも諦めないね…」

「そうさね…」


ラビとアリスはまだつまみ食いを狙っているアレンを遠目に見つめた。
もうすぐパーティーが始まると言うのにまだ奮闘中だ。
———諦め悪いな、アレン…。
二人はアレンを見つめながら、呆れた様に笑いを零した。


***


何故だろう?
此所は不思議と嫌な予感があちこちから漂っている。
まるで私達ノアを拒むかの様に。


慎重に行動すべきだな——…。