二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.10 )
日時: 2010/02/18 21:59
名前: かっぺい (ID: qrbmE5ew)

ミヤ その2



「うわぁあ……ど、どうしようこの人……」

私はよろよろと少女を抱き起こす。
振り回してみたが、完全に眠りに落ちている。
さいみんじゅつ が効きすぎた……

「んん……もう食べられないわよ」

「すごい寝言らしい寝言だわ!」

仕方なく、神社の中へ引きずろうとする。
ちらとそちらを見ると、今度はサイセンバコの上に別の少女が座っていた。


驚いて手を放すと、鈍い音をして少女の頭が地面に落ちた。

「いつの間に」

「……泥棒?」

訝しげに私を見る少女には、何故か角が生えていた。
手の鎖がじゃらじゃらと鳴り、私を怯ませる。

「ど、泥棒じゃないです」

「嘘はダメだね。どうせ賽銭泥棒でしょうが」

何が可笑しいのか、少女はにやにやと喋る。
またオサイセンか……
げんなりとした。

「あんた、あんま見ない姿だけど、妖怪?
 なんて名前?」

「え、あ……ミヤ、です」

「……妖怪じゃ無さそうだね。
 もしかして『外』から来たの?」

ぴく、と閃く。
質問攻めに混乱し始めていたのが、それに反応した。

「『外』」

薄々分かっていたけど、もしかするとココは別の世界、なのか。
今度はこちらが質問しようと、口を開く。

「すいません!
 ……あ、えと、お名前なんですか」

「あたしは伊吹萃香(いぶき すいか)。
 ってか、それ今聞く?」

「あの……こちらの方の名前も教えて欲しいんですけど」

地面に寝ている少女を指差す。

「そっちは博麗霊夢(はくれい れいむ)。
 ……なんで聞くのさ?」

「名前を間違えないのが、私のマナーです」

それは本当だった。
仲間の名前を間違えるのは、色々とまずい。
あまり親しくない人となら尚更だ。

ああ、と納得したように伊吹さんが頷く。
再び質問が来る前に、私は言葉を発した。

「この世界に ポケモン っていますか?」


「なんだそりゃ」

「ですよね……」

私はがっくりと肩を落とす。
これでは仲間を捜すのにも時間がかかりそうだ。
落ち込む私に反して、伊吹さんは嬉々として口を開く。

「そっか、あんた『ぽけもん』っていう種族なんだな」

「……そう、ですね」

「霊夢に勝っちゃうくらい、強いんだな」

「え?」


顔を上げた瞬間、博麗さんのと似た玉があった。
目の前に、かなり近くに。
本当にげんなりした。