二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.17 )
日時: 2010/02/20 22:47
名前: かっぺい (ID: qrbmE5ew)

ご主人 その2



「……橙、ソレ何」

「紫さま……なんか放してくれなくて……」

気がつくと、俺は廃屋の中で転がっていた。
目を閉じたまま、話し声に耳を澄ます。
握りしめた手の中に、温もりがあった。

「手もしっかり握っちゃって……ロリコン?」

「ろ、り?
 多分そうじゃなくて、この人フラフラなんです」

幼いが、心配したような声が聞こえてきた。
ふう、と溜め息がして頬に手が触れる。

ぱち、と目を開くと、金髪のババアがそばにいた。

「……ババア?」

「……腹減った」


飯をかっ込みながら、事のあらましを反芻する。
バ……八雲紫に連れてこられた住居で、俺は生きている喜びを噛み締めていた。

「ったく……こんなカワイイ少女が、なんでババアに見えるのよ」

「いや、なんかババアみたいなオーラしてたから……
 あ、ウソウソ。もの凄い仙人級のオーラを持ってたんで!」

「結局ジジイじゃない」

既に夕食を済ませた紫と喋りながら、俺は三杯目の茶碗を空ける。
向こうの従者に引き攣りが見えた気がしたが、無視だ。

「しかしなぁ……まさか別世界に来ちまうとは……
 まったく、人生は分からん」

「偉そうに言うじゃない」

「本当はもっと大勢の前で偉ぶりたいんだがな。
 ……あ、そういや俺にゃ仲間がいるんだよ!
 話したっけか?」

「道中散々。
 火事だとか宮だとか、うるさいわよ」

ふぅ、と呆れた様子で紫が溜め息を吐いた。
頭を掻く。

「そそそ。そいつらもバラけちまったからな。
 探さなきゃならん」

「大切なの?」

「おう」

間髪入れず、質問に答える。
一瞬間が開いた後、紫が口を開く。


「一人、会ったわ」