二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.3 )
日時: 2010/02/16 23:18
名前: かっぺい (ID: qrbmE5ew)

ミヤ その1



ジンジャ、だった。

感嘆の息が漏れる。
すらりとした足が、ゆっくりと前に動いた。
ここでなら、落ち着いて考えられそう……顔がほころんだ。

にこにこと、置かれている箱を通り過ぎる。


「お賽銭は?」

唐突で、反応が遅れた。
背後には、いつの間にか少女が立っていた。
首を傾げながら振り向く。

オサイセン……?

「えと……」

「お賽銭は?」

さっきよりも苛立った様子で、少女が再び口を開く。
あ〜、と声に鳴らない声を上げるが、残念ながら答えは出ない。

「オサイセンって……なんでしょうか?」

「……あぁ、はい、分かったわ」

緑色の頭が、ぴくりと揺れた。


自分の目が、徐々に潤んでいくのを感じる。
周りに展開した見えない壁は、今や苦しげに歪んでいた。
押し曲げているのは、エネルギー弾。

「な、何をするんですか!?」

「あんた妖怪でしょ!」

上擦った声が出た。

「わ、私がですか?」

「当たり前よ! 人ん家にずかずか入って来て……!
 しかも見ない顔だし。いいわ、ここでボコしてあげる」

よく見ると頬がこけている少女は、勢い良く言い放つ。
ぐるりと回転し、赤白の服が大きく空気を揺らした。


もう、涙目は通り越してるよ

サーナイトは、混乱したまま防壁を張る。
仲間の事を考える余裕は、既に無かった。