二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.97 )
- 日時: 2010/12/13 00:09
- 名前: かっぺい (ID: SUsN38YB)
どっこい生きてた、シャツのn(ry
お久しぶりです。なんとか帰って来れました……
相変わらず隔週更新になるとは思いますが、それでもちまちまやっていきたいです。
ちなみに時系列的には
たらことフータが湖に→『男』がマヨヒガへ→>>94→今回→湖で戦闘開始
って感じです。
カジ その16
影の襲撃から丸一日が経った。
私は、藤原妹紅は、木材を地面に降ろし、ふうと一息つく。
がやがや騒がしい中で顔を上げると、紅の身体が目に入った。
大丈夫か、と言う声に、私は小さく笑う。
「燃やすのは得意なんだけどね」
「俺もだ」
目の前のカジは自分の顔を擦った。
その後ろを、よろよろ慧音が歩いていった。
私たちは、慧音の家の修繕の最中だった。いや、終わらせた所だ、といっていい。
一日を修繕に使っただけあって、昨日私がぶち開けた穴は、今や不格好ながら治まっていた。
好意から集まってくれた大工たちと共に、私たちは後片付けに精を出しているのだ。
「ここの人らは優しい」
カジが柱材を持ち上げて言う。
それは明らかに私の背より大きいので、あーこいつはやっぱり人外なんだなあ、と一人ごちた。
「そう?」
「俺を見ても全然びびらない」
「あ〜……まぁ、慣れてるだろうしね」
私は頷き、カジの背中に声をかける。
彼が置き場に柱材を置くと、先に居た青年がおお、と言った。
「力持ちだなあ。あんたは何、鶏の妖怪かい?」
「まあ、そんなとこだ」
「へえ……俺も何人か妖怪を見てきたけど、あんたみたいなのは初めてかな」
「俺みたいな?」
カジは首を傾げた。
少し遅れて材木を置いた私は、青年を一瞥してから、カジに声を放る。
「ここらで妖怪って言ったら、怠け者ばっかりでね」
「ああ」
納得したようにカジが頷いた。
その顔を尻目に、私は改めて青年を睨んだ。
「あ……」
「ね、そうだよね」
「あぁ、ああ、そうだよ」
すぐに青年は、すまなそうな表情を浮かべて、早口でそう言った。
そのまま、彼は立ち上がってそそくさ去っていった。
私はふう、と溜息を吐く。隣から、心配そうな声がする。
「どっか痛めでもしたか?」
「んにゃ」
カジは私の顔をじっと見ていた。目が合って、私はにいっと笑う。
もう陽は沈みかけていて、鋭い夕日が彼の頬を染めていた。
「ねえ、夜飯、ちょっと付き合ってくんない?」